自動内視鏡再処理装置におけるブラッシングできない内視鏡チャネルの洗浄の有効性:実臨床における不遵守の証拠

2026.01.10

Efficacy of cleaning of unbrushable endoscope channels in automated endoscope reprocessors: evidence of non-compliance in real-world practice

T-C. Liu*, C-L. Peng, P-H. Tseng, W-K. Chang
*National Defense Medical University, Taiwan

Journal of Hospital Infection (2026) 167, 73-80

背景

内視鏡の空気/水チャネル、補助水チャネルおよびエレベーターワイヤーチャネルは狭く(0.06 ~ 0.14 cm)、長い(129 ~ 345 cm)ため、手作業でブラッシングすることができない。これらの「ブラッシングできない」チャネルは、再処理におけるフラッシュ洗浄のみが頼りであり、残留破片やバイオフィルム蓄積を生じやすい。本研究では、自動内視鏡再処理装置(AER)におけるこれらのチャネルの洗浄の有効性を検討し、洗浄剤の使用説明書(IFU)の遵守度を評価した。

方法

過酢酸により 20°Cで高度消毒を行う標準化プロトコールを用いて、AER において内視鏡を再処理した。洗浄の有効性は、標準化血液および多糖汚染物質でコーティングしたステンレス鋼の試験片を用いて、FlexiCheck システムにより検証した。非酵素系 1 種類(製品 A)と酵素系 2 種類(製品 B および C、IFU:25 ~ 60°C)の 3種類の洗浄剤を、1:200 に希釈し、夏季および冬季条件下で 1、5 および 10 分間の洗浄により試験した。内視鏡センター 19 施設を対象とする全国調査により、実際の AER を用いた洗浄の実践および IFU 遵守度を評価した。

結果

冬季には、低水温により酵素活性が阻害され、洗浄の有効性が低下した。製品 A は、5 分以上ですべての温度にわたり有効な洗浄を達成した。製品 B は温度および時間依存的な有効性を示し、製品 C はすべての試験条件下で不合格であった。調査データから、洗浄剤の使用、洗浄時間および温度管理におけるかなりのばらつきが明らかになり、IFU の不遵守が高頻度に認められた。2 施設(10.5%)のみが、AER 内での洗浄の検証を実施していた。

結論

ブラッシングできないチャネルの有効な再処理のためには、洗浄剤と AER の設定との適合性、温度モニタリング、十分な洗浄時間、洗浄有効性の日常的な検証が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

内視鏡の送気送水等、ブラッシング困難な細径チャネルの洗浄は自動内視鏡再処理装置の性能に依存するが、本論文は実臨床における使用説明書不遵守と洗浄不全のリスクを警告している。特に冬季の低温環境では酵素洗浄剤の活性が低下し、1 分程度の短時間洗浄では十分な効果が得られないことが示された。19 施設への調査では洗浄評価の実施率が 10.5%と極めて低く、施設間での運用に大きな乖離がある。自動内視鏡再処理装置を使用する場合は、その固定温度設定(20°C)に適合した洗浄剤の選択と 5 分以上の洗浄時間、そして客観的な指標を用いた定期的な洗浄検証の徹底(使用説明書の遵守)が求められる。

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