COVID-19パンデミック前後のオーストラリア全国の病院における小児抗菌薬適正使用支援の医療資源、活動、障壁に関する全国解析★

2026.01.10

A whole of country analysis of antimicrobial stewardship resources, activities and barriers for children in Australian hospitals pre- and post COVID-19

P.A. Bryant*, V. Clifford, B.J. McMullan, A.C. Bowen, N.J. Morgan, on behalf of the ANZPID-ASAP group
*Murdoch Children’s Research Institute, VIC

Journal of Hospital Infection (2026) 167, 244-251

背景・目的

本研究はCOVID-19パンデミック前後におけるオーストラリアの全入院小児科患者を対象とした抗菌薬適正使用支援(AMS)の医療資源と活動を評価し、ギャップを特定することを目的とした。

方法

ANZPID-ASAP グループによる 2014 年 3 次小児病院研究を基に改変した網羅的データ収集ツールを、2017 年と 2024 年に適用した。小児入院患者を受け入れている全ての公立病院をが対象となり、各病院の小児科 AMS 担当者が情報を提供した。

結果

オーストラリアで小児を治療している病院は 106 施設あり、100%からデータが得られた。小児病床数は、3床から360床で、合計で4,142床であった。3 次/都市部病院の17施設(35%)に小児AMS があったのに対し地域/農村部病院は5施設(9%)のみであった(P = 0.001)。AMS薬剤師がいるのは3 次/都市部病院38施設(81%)に対し、地方/農村部病院 27施設(53%)であった(P = 0.003)。51施設(48%)の病院が地域の経験的抗菌薬ガイドラインを有し、専門領域のガイドラインはさらに少なかった。102 施設(96%)の病院が広域抗菌薬に制限を設けていた、正式な承認システムは3 次/都市部病院 44 施設(90%)に対し地域/農村部病院35 施設(66%)と少なかった(P = 0.004)。AMS 教育は不十分で上級医への教育を提供しているのは 25 施設(24%)のみ、24 施設(23%)はすべての職員に対する教育がなかった。AMS 成功の最大の障壁は、感染症科や微生物学部門がない(64 施設、60%)、専任薬剤師の不足(62施設、59%)、臨床医への教育不足(53 施設、50%)であった。COVID-19 パンデミック以降もほとんど変化はみられなかった。

結論

小児特異的の AMS 医療資源や専門知識に大きなギャップがあり、特に地方や農村部病院で顕著である。全ての入院小児が最適なケアを確実に受けられるよう、医療資源の増加、小児 AMS 臨床医の教育、ガイドライン/医療資源の共有改善が、極めて重要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

日本の小児医療においても、抗菌薬使用の適正化と薬剤耐性対策は喫緊の課題であり、本研究は参考になり得る。

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