内視鏡サーベイランスを最適化する:検体採取の方法と時点は微生物学的サーベイランスにどのような影響を及ぼすか
Optimizing endoscope surveillance: how sampling methods and time points affect microbiological surveillance T. Xu*, X. Cao, M. Shuang, Q. Tan, L. Xiong *Huazhong University of Science and Technology, China Journal of Hospital Infection (2026) 167, 100-107
背景
内視鏡関連感染の懸念は、再処理ガイドラインを遵守していても残る。微生物学的サーベイランスは品質管理に不可欠であるが、その有効性は検体採取のタイミングと方法に依存する可能性がある。
方法
本前向き多施設共同研究は、中国、武漢の 3 次総合病院の複数のキャンパス内にある消化器内視鏡検査室 3 カ所で実施した。検体採取は、高度消毒の直後または乾燥キャビネットで一晩保管した後に、従来フラッシュサンプリング法(conventional flushing sampling method:CFSM)またはフラッシュ・ブラシ・フラッシュサンプリング法(flush-brush-flush sampling method:FBFSM)の 2種類の方法のいずれかにより実施した。
結果
消毒済み消化器内視鏡における全体の合格率は 83.4%(254 本中 212 本)であった。CFSM と比較して、FBFSM は全体の合格率が有意に低く(χ2 = 5.895、P = 0.015)、微生物回復の増強が示された。一晩乾燥した後に検体が採取された内視鏡では、高度消毒の直後に採取された検体と比較して合格率が有意に高く(87.7% 対 79.3%)、高懸念微生物、特にシュードモナス(Pseudomonas)属菌およびグラム陽性球菌の検出率が低かった。
結論
内視鏡再処理の乾燥段階が、残留微生物汚染の低減に重要な役割を果たす。また、FBFSMは再処理後のサーベイランスにおいて優れた感度を示し、CFSM より効果的な検体採取法として有用であることが強調された。
監訳者コメント:
内視鏡サーベイランスにおいて、サンプリング手法とタイミングが検出率に与える影響を検証した多施設共同研究である。ブラッシングを併用する FBFSM は、従来の吸引法(CFSM)に比して有意に高い微生物回収能を示した。注目すべきは、高レベル消毒直後よりも一晩の乾燥保管後で合格率が向上し、高リスク菌の検出率が半減した点であり、適切な乾燥工程の重要性が改めて裏付けられた。一方で、検出菌の 5 割以上が強いバイオフィルム形成能を有しており、偽陰性のリスクを考慮すると、感度の高い採取法の採用と乾燥プロトコルの標準化は、質の高い品質管理に不可欠な要素と言える。
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