医療機器の水検体における非結核性抗酸菌の迅速検出:STANDARDTM M10 MTB/NTM カートリッジの評価

2026.01.10

Fast detection of non-tuberculous mycobacteria in medical device-water samples: evaluation of the STANDARDTM M10 MTB/NTM cartridge

V. Ferraro*, P. Caiazza, F. Sorella, F. Bisognin, C.M. Crovara Pesce, P. Dal Monte
*University of Bologna, Italy

Journal of Hospital Infection (2026) 167, 43-47

緒言

非結核性抗酸菌(non-tuberculous mycobacteria;NTM)は環境中に存在する病原体であり、特に汚染された医療用水システム、例えば加温冷却ユニットや血液透析装置などを介した医療関連感染症の発生源としてますます認識されるようになっている。NTM 関連疾患の有病率の上昇に伴い、より効果的で迅速な診断ツールを用いたサーベイランスの強化が急務であることが強調されている。本研究の目的は、環境水検体中の NTM の検出における、新しいカートリッジベースのリアルタイム PCR 法である STANDARDTM M10 MTB/NTM の性能を、従来の mycobacteria growth indicator tube(MGIT)液体培養法と比較評価することであった。

方法

イタリア、エミリア・ロマーニャ州のサーベイランスプログラムに従い、医療機器から得た水検体を NTM 検出のための標準培養法で処理した。残りの汚染除去された検体を-20°Cで保存した。本研究では、保存された 150 検体の一定分量を選択し、STANDARDTM M10 MTB/NTM 法により検査した。

結果

培養により 150 検体中 37 検体(24.7%)から NTM が検出され、最も高頻度に分離された菌種は Mycobacterium chimaera および Mycobacterium saskatchewanense であった。STANDARDTM M10 MTB/NTM 法は、培養陽性の 37 検体中 32 検体を検出し、培養陰性の全検体(113 検体)で陰性を示した。これは感度 86.5%(95%CI 0.72 ~ 0.94)、特異度 100%(95%CI 0.97 ~ 1.00)に相当し、培養法との強い一致度(κ = 0.90)を示した。

結論

培養法と比較して、STANDARDTM M10 MTB/NTM 法は環境水検体中の NTM を検出するための信頼度の高い迅速なツールであり、高い特異度および適中率を示すことが証明された。この方法を導入することで、より適時の包括的な環境モニタリングが進み、これらの病原体の伝播が防止されるとともに、院内感染リスクが低減される可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本研究はプレリミナリーな環境水検体中の NTM を検出する検討であり、STANDARDTM M10 MTB/NTM 法の性能を評価するにはさらなる大規模な NTM の検出をしてみる必要があろう。

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