病棟での COVID-19 アウトブレイクに対する個室の使用と N95 マスクの共同効果をモデル化する★

2025.12.13

Modelling the joint effects of single occupancy and N95 respirators on COVID-19 outbreaks in hospital wards

C. Zachreson*, R. Schofield, C. Marshall, M. Kainer, K. Buising, J. Monty, S. Sullivan, K. Subbarao, N. Geard
*The University of Melbourne, Australia

Journal of Hospital Infection (2025) 166, 190-197

背景

病棟で呼吸器病原体のアウトブレイクが起こることは、院内感染の制御にとって難問となる。

目的

空気感染する病原体の病棟でのアウトブレイクの予防や軽減において、構造による制御(個室の病室)と通常の予防策(医療従事者による N95 マスクの使用)の相乗効果の可能性を調べること。

方法

この研究では、病棟での COVID-19 アウトブレイクをシミュレーションするために、空気感染する病原体への曝露についての Wells-Riley モデルのエージェントベースの拡張を適用した。気付かれていない症例を二人部屋または個室の病室のある病棟に入れてしまった結果の二次感染率およびアウトブレイクの大きさをシミュレーションした。患者のケア中に看護師が N95 マスクを使用することの影響を、予防と感染源の制御における有効性が 90%と仮定して、シミュレーションした。

結果

シミュレーションされたアウトブレイクの 14 日目に記録された大きさは、個室のみの病棟の方が、二人部屋と比べて、著しく小さかった(感染の件数の平均が、それぞれ、14.1 と 22.8)。看護師は、個室のシナリオと二人部屋のシナリオの両方で、患者よりも感染する可能性が高かった。個室は、アウトブレイクの大きさが小さいこと、および職員よりも患者への相対的な影響の方が大きいことと関連していた。N95 マスクは、アウトブレイクの軽減に有効で、影響は、個室の病室がある病棟の方が大きかった。

結論

我々の結果は、個室の病室が病棟における SARS-CoV-2 の伝播を減少させるという主張と一致している。また、患者をケアしているときに看護師が N95 マスクを使用することで、病原体の実効再生産率を減少させることができるという主張も支持している。最後に、我々は、個室に切り替えることで、医療従事者による N95 マスクの使用の利益を増加させることができることを示した。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

呼吸器病原体の感染予防のため、できれば個室を使用したいが、日本の医療機関では個室が足りない。

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