集中治療室からの高度に汚染された軟性気管支鏡の再処理中の環境汚染を減少させる
Reducing environmental contamination during reprocessing of highly contaminated flexible bronchoscopes from the intensive care unit H.L. Rao*, L.J. Gao, X.L. Zheng, J.R. Wei, M. Yue, B. Li, Z.H. Wang, M. Yang, X.M. Ren *The First Affiliated Hospital of Army Medical University, People’s Republic of China Journal of Hospital Infection (2025) 166, 152-160
背景
集中治療室(ICU)で使用される軟性気管支鏡(FB)には病原性微生物が潜んでいることが多く、再処理初期に環境汚染およびスタッフ曝露のリスクが生じる。
方法
6 か月間に、ICU FB 832本から使用直後に検体を採取し、メタゲノム次世代シークエンシングにより評価したところ、55.4%が、多剤耐性菌、真菌、空中浮遊病原体などの病原体を 1つ以上有した。二重のバイオハザードバッグを用いる密封運搬、汚染された気管支鏡との接触と支援作業を分ける 2 人作業での取扱い法、シンクおよび ICU FB 専用自動内視鏡再処理装置(AER)の分離、器具および作業表面の厳密な最終消毒を中心とする、強化再処理プロトコールを策定した。
結果
品質検査により、FB の洗浄有効性に変化はない一方、新しいプロトコール下で再処理後の作業表面に対する環境微生物負荷は有意に減少したことが示された。
結論
これらの結果は、ICU FB が受け取りの時点で高負荷のリザーバーであることを明らかにしており、再処理の最も早い段階での的を絞った標準化された管理により、器具の再処理の結果は悪化することなく、環境汚染が軽減され、滅菌処理作業者の保護が強化される可能性があることを示している。
監訳者コメント:
本研究は、ICU で使用される気管支鏡の55.4%から多剤耐性菌や結核、ウイルス等の病原体が検出された実態を背景に、中央材料室での環境汚染を抑制する「二人一組」の再処理プロトコルを評価している。汚染物接触者と支援者の役割を分離し、密封搬送や専用洗浄機を運用した結果、洗浄精度を損なうことなく作業環境の微生物負荷を有意に減少させた。気管支鏡は高度な感染源となり得るが、本知見は初期対応の標準化がスタッフの職業曝露防止や院内伝播の抑制に直結することを示している。病原体が未判明な段階から実施可能な、現実的かつ波及効果の高い対策として再考の価値がある報告である。
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