The efficacy and safety of disposable endoscopes in reducing persistent microbial contamination: a systematic review and meta-analysis comparing technical performance with reusable endoscopes

H. Hamdar*, A.M. Agour, G.T. Guergues, P. Sydhom, A.S. Al-Shammari, A. Al Bazzal, J. Jaber, J. Nasrallah, A. Jawad, S.M. Attalah, M.T. Hassan
*Medical Learning Skills Academy, Lebanon


Journal of Hospital Infection (2025) 165, 128-142

背景

内視鏡検査は診断と治療に不可欠であるが、再利用可能な内視鏡は、厳密に洗浄しても汚染リスクをもたらす。使い捨て内視鏡は、このリスクを低下させる可能性がある。

目的

使い捨て内視鏡の微生物汚染を最小限に抑える効果を、再利用可能な内視鏡と比較して評価した。

方法

このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、PubMed、Web of Science、Scopus において2024 年 3 月 1 日までの検索を行い、性能および汚染に関して再利用可能な内視鏡と使い捨て内視鏡を比較したコホート研究、症例対照研究およびランダム化対照試験を特定した。データは平均差（MD）およびリスク比（RR）と95％信頼区間（CI）を用いて解析した。出版バイアスは Luis Furuya-Kanamori（LFK）指数を用いて評価し、不均一性は I² およびコクランの Q 検定により評価した。

結果

本メタアナリシスは 15 件の研究を対象とした。使い捨て内視鏡は 2,571 例で使用され、再利用可能な内視鏡は 5,607 例で使用された。再利用可能な内視鏡では、合併症リスクが 25％高いことが明らかになった（RR 1.25、95％CI 1.08 ～ 1.44）。発熱の発生率は、使い捨て群の方がはるかに低かった（RR 0.38、95％CI 0.20 ～ 0.72）。入院期間には意味のある差は認められなかった（MD －0.14、95％CI －0.39 ～ 0.11）。尿培養陽性（RR 1.93、95％CI 0.03 ～ 123.15）または尿路性敗血症発生率（RR 0.45、95％CI 0.16 ～ 1.27）に有意差は認められなかった。

結論

使い捨て内視鏡は、再利用可能な内視鏡と比較して、発熱リスクを顕著に低下させた。しかし、尿路性敗血症発生率、尿培養陽性および入院期間に差は認められなかった。費用や環境への影響を考慮することが推奨される。

サマリー原文（英語）はこちら

監訳者コメント：

本論文は「内視鏡」と題されているが、解析対象の 15 編中 13 編が尿管鏡や膀胱鏡などの泌尿器科領域の研究である点に留意が必要である。リユーザブル内視鏡と尿培養や尿路感染症との関連が議論されるのは、この対象バイアスによるものだ。複雑な構造を持つ尿管鏡は完全な滅菌が難しく、使い捨て化により発熱リスクが有意に低下したという結果は、この特有の器材背景を色濃く反映している。消化管内視鏡など他領域への一般化は慎重に行うべきである。

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