抗菌薬耐性(AMR)予防アプローチを強化する:WHO の感染予防・制御中核要素の中に環境持続可能性を加えた場合

2025.11.25

Augmenting approaches to AMR prevention: a case for environmental sustainability within the WHO core components for infection prevention and control

J. Collins*, A. Krause
*Glasgow Caledonian University, UK

Journal of Hospital Infection (2025) 165, 118-127

背景

深刻さを増す抗菌薬耐性(AMR)の問題は、抗菌製剤の誤用や環境汚染を含む複数の要因によって引き起こされていることが、次第に理解されるようになっている。しかし、医療施設における AMR を標的とした行動は、主に抗菌薬適正使用支援に重点が置かれ、プログラムの影響を制限する環境要因は限定的にしか、あるいはまったく考慮されていない。本稿では、医療施設が、世界保健機関(WHO)の感染予防・制御(IPC)の中核要素に基づき、協調的な「ワンヘルス(One Health)」アプローチを通して、AMRに対する行動を拡大する方法を説明する。

方法

6 つのデータベースにおいて、環境持続可能性、IPC および抗菌薬適正使用支援の統合に関して、国際的に公表された論文を検索し、迅速レビューを実施するとともに、IPC および環境持続可能性に関連して公表されている最新の指針書のレビューを行った。続いて、現在の IPC および持続可能性の実践を、WHO の IPC 中核要素において特定された持続可能性の機会と比較した。最後に、この戦略の実施に関する理論化された因果経路を作成した。

結果

医療施設が AMR にワンヘルスアプローチを取り入れることを求める声は高まっているにもかかわらず、これを達成する方法に関する文献中のエビデンスは限られている。しかし、IPC と持続可能性の目標には大幅な重複がみられる。したがって、(i)理論化された因果経路、および(ii)WHO の IPC 中核要素 8 項目に体系的に環境持続可能性を組み込む戦略を提案する。

結論

AMR に対する行動は、病院の IPC および持続可能性プログラムにワンヘルスアプローチを採用すれば、加速される可能性がある。このための枠組みを、広く用いられている WHO の IPC 中核要素を用いて提案する。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

多剤耐性菌の感染予防と感染制御の対策をワンヘルスアプローチを交えて考慮することは、意義深い。様々な視点を交え最善の患者へのアプローチがワンヘルスの視点も包括的に考慮されていることが最も理想的である。

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