遠隔センサーによる継続的な水温モニタリングを用いて水の安全性に問題のある ICU における臨床用手洗い洗面台の設備を適正化する

2025.11.25

Use of continuous remote sensor water temperature monitoring to rationalize provision of clinical handwash basins in an ICU with water safety issues

L.B. Snell*, A. Hussein, O. Abadioru, M. Dibbens, J. Whitehorn, R. Nichols, L. May, S. Coates, N.A. Barrett, H. Winteridge, J.A. Otter, S.D. Goldenberg
*Guy’s and St Thomas’ Hospital and King’s College, UK

Journal of Hospital Infection (2025) 165, 1-8

背景

水系病原体の十分な制御を証明するための定期的な手動での水温測定は、多大な労力を要するが、配水システム全体の包括的な概観を提供しない。特に、利用頻度の低い蛇口(水のよどみと、施設内水道配管日和見病原体[opportunistic premise plumbing pathogens]の増殖リスクをもたらす)は、そのような限られたデータセットを用いて特定することは困難であると考えられる。より正確なデータセットを得るために、遠隔センサーによる継続的な水温モニタリングシステムが使用されることが増えている。

方法

遠隔センサーによる継続的な水温モニタリングシステムを、集中治療室の臨床用手洗い洗面台 15 カ所の温水および冷水供給装置に設置し、100 日間にわたって使用量と温度の変動をモニタリングした。

結果

2 カ所の臨床用手洗い洗面台が低利用頻度として明らかに特定され、24 時間を超えて使用されないことが複数回あった。これは、蛇口の配置やスペースの不足など、病棟の建築設計が不適切であったことに関連している可能性があった。これら 2 カ所の蛇口を使用停止し、さらに 100 日間のデータモニタリングを観察した。無稼働日の総数は、温水供給装置全体で 55%減少し(稼働なし 82 日 対 37 日)、冷水供給装置全体で 36%減少した(稼働なし 193 日 対 124 日)。

結論

遠隔センサーによる継続的な水温モニタリングシステムによって、定期的な手動での監視では得ることが困難な、より包括的で正確なデータセットを生成することができる。これにより 2 カ所の蛇口が使用停止となり、それに伴い集中治療室の残り全体で水の利用が改善した。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本研究は、ICU の手指衛生用シンクに遠隔温度センサーを設置し、使用実態を可視化した報告である。データに基づき低頻度使用のシンクを撤去した結果、システム全体の滞留日数が減少し、リスク低減に繋がった。従来の手動計測では見逃される「死角」を客観的データで特定し、設備を適正化する手法は、水系感染対策と省力化、さらには環境負荷軽減の両立として非常に有用なアプローチである。

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*Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 747-751