集中治療室で実施される抗菌薬適正使用支援介入に関するシステマティックレビュー

2025.08.14

A systematic review of antimicrobial stewardship interventions implemented in intensive care units

O.K. Ntim*, B. Opoku-Asare, E.S. Donkor
*University of Ghana Medical School, Ghana

Journal of Hospital Infection (2025) 162, 272-283

抗菌薬適正使用支援(AS)は、適切な抗菌薬の使用を実現し、その後の抗菌薬耐性の出現を抑制するために不可欠である。集中治療室は、感染に頻繁にさらされることから、抗菌薬使用のモニタリングにおいて重要な場所である。本レビューでは、集中治療環境で用いられる AS 介入の現状に関する最新情報を提供する。Cochrane、Web of Science および PubMed において、「抗菌薬(Antimicrobial)」「適正使用支援(Stewardship)」「集中治療室(Intensive care unit)」に分類されたキーワードを用いて、包括的検索を行った。検索は 2015 年 4 月から 2024 年 11 月までに発表された原著論文に限定して行った。データベースから引き出した記録 1,234 件のうち、55 件の研究を本システマティックレビューの対象とした。これらの研究のほとんどは米国(9 件)で実施され、次いで中国(8 件)、インド(5 件)およびイタリア(4 件)で実施されていた。重要な AS 戦略として、複数の介入による AS プログラム(22 件、40%)、前向きのフィードバックと監査(11 件、20%)、抗菌薬使用の指針となるプロカルシトニン(PCT)プロトコール(12 件、21.8%)、抗菌薬デエスカレーションのプロトコール(4 件、7.3%)、抗菌薬の制限または事前承認(4 件、7.3%)、診断支援(1 件、1.8%)、抗菌薬処方のガイドライン(1 件、1.8%)の 7 種類が特定された。対象としたまたは全体の抗菌薬使用の減少が、ほとんどの研究(42 件中 34 件)で報告された。特に、複数の介入による AS プログラムを実施した研究すべてにおいて、抗菌薬使用減少の成功が報告された。一部の AS 介入は、抗菌薬処方の適切性を大幅に高めた。さらに、抗菌薬が減少しても患者の健康転帰が損なわれることはなかった。それでも、AS プログラムが患者の健康転帰に及ぼす影響を正確に評価するために、より大規模でより長期にわたる研究を今後実施することが推奨される。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

限りある抗菌薬を長期的にかつ効果的に使用するには、抗菌薬適正使用支援プログラムはいかなる医療の現場においても恒に考慮すべきである。

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