中心ライン関連血流感染症およびカテーテル関連血流感染症の影響:システマティックレビューおよびメタアナリシス

2024.10.31

Impact of central-line-associated bloodstream infections and catheter-related bloodstream infections: a systematic review and meta-analysis

S. Elangovan*, J.J. Lo, Y. Xie, B. Mitchell, N. Graves, Y. Cai
*Duke-NUS Medical School, Singapore

Journal of Hospital Infection (2024) 152, 126-137

背景

医療経済モデルの入力パラメーターに関する情報を提供するには、正確な効果推定値が必要である。中心ライン関連血流感染症(CLABSI)とカテーテル関連血流感染症(CRBSI)は、中心ライン血流感染症を特定するのに異なる定義付けがあり、異なる患者を示す可能性があるが、以前のメタアナリシスでは CLABSI/CRBSI を区別しなかった。

目的

CLABSI 患者と CRBSI 患者のアウトカムの効果推定値を、非感染患者と比較して明らかにすること。

方法

CLABSI/CRBSI を発症または非発症の成人入院患者において、全死因死亡率および/または入院期間(LOS)を報告したフルテキストの研究論文を、PubMed、Embase、CINAHL を用いて 2000 年 1 月から 2024 年 3 月まで検索した。2 名の研究者が独立して、関連する可能性のあるすべての研究を調査し、データの抽出を行った。ランダム効果モデルを用いて、死亡率のオッズ比および病院 LOS の平均差をプールした。研究バイアスのリスクを ROBINS-E により評価した。

結果

36 報の研究を対象とした。CLABSI 研究 16 報、CRBSI 研究 12 報で死亡率が報告された。CLABSI 群および CRBSI 群の死亡率のオッズ比を、非感染症群と比較したところ、それぞれ 3.19(95%CI 2.44 ~ 4.16、I 2 = 49%)、2.47(95%CI 1.51 ~ 4.02、I 2 = 82%)であった。CLABSI 研究 12 報、CRBSI 研究 8 報で病院 LOS が報告され、CLABSI/CRBSI の時間依存性を説明した研究は、それぞれ 3 報(CLABSI)、2 報(CRBSI)のみであった。CLABSI 群と CRBSI 群の病院 LOS の平均差は、非感染症群と比較して、それぞれ 16.14 日(95%CI 9.27 ~ 23.01、I 2 = 91%)、16.26 日(95%CI 10.19 ~ 22.33、I 2 = 66%)であった。

結論

CLABSI ならびに CRBSIは、死亡リスクと病院 LOS を増加させる。公表された研究で CLABSI/CRBSI の時間依存性を説明したものは少なく、超過病院 LOS の過大推定をもたらした可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

CLABSI ならびに CRBSI は、死亡リスクと在院期間を増加させる。多くの論文が同じ結果を報告している。

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