新生児集中治療室におけるカテーテルの種類別のカテーテル関連血流感染症のリスク:1,100 本超の血管内留置カテーテルに関する大規模コホート研究

2023.09.30

Risk of catheter-associated bloodstream infection by catheter type in a neonatal intensive care unit: a large cohort study of more than 1100 intravascular catheters

G. Catho*, F. Rosa Mangeret, V. Sauvan, M.-N. Chraïti, R. Pfister, O. Baud, S. Harbarth, N. Buetti
*Geneva University Hospitals, Switzerland

Journal of Hospital Infection (2023) 139, 6-10


背景

本研究の目的は、スイスの 3 次医療センターの新生児集中治療室(NICU)における大規模な前向きデータベースを用いて、各種カテーテル間でカテーテル関連血流感染症(CABSI)のリスクを評価することである。

方法

2017 年 1 月から 2020 年 12 月までに NICU に入室し、中心血管内留置カテーテルを 1 回以上挿入されたすべての新生児を対象とした。各種カテーテルにおける CABSI リスクを明らかにするために周辺構造 Cox モデルを用いた。

結果

計 574 例の新生児および血管内カテーテル 1,103 本(臍静脈カテーテル 581 本、臍動脈カテーテル 198 本、末梢挿入式中心静脈カテーテル[PICC]324 本)を本研究の対象とした。臍静脈カテーテル、臍動脈カテーテル、PICC を挿入された新生児において、それぞれ 17 件、4 件、4 件の CABSI が特定された。臍帯カテーテル留置 2 日後に CABSI リスクが増大した。性別と在胎期間で補正した単変量 Cox モデルにおいて、臍静脈カテーテルと臍動脈カテーテル間での CABSI リスクは同程度であった(ハザード比[HR]0.57、95%信頼区間[CI]0.16 ~ 2.08)。出生時体重は CABSI と関連し、高体重は防御的因子であった(HR 0.37、95%CI 0.16 ~ 0.81)。

結論

特に低出生体重および超低出生体重の新生児において、臍帯カテーテルの留置期間の短縮を目的とした対策は、この集団の CABSI 発生率の低減のために有効であろう。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント


NICU で使用される血管内留置カテーテル、特に臍帯カテーテルの感染リスクについて調べた研究である。

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