抗菌性表面の評価における接触-伝播試験の検査室間の再現性
Interlaboratory reproducibility of a touch-transfer assay for the assessment of antimicrobial surfaces A. Mayr, J.K. Knobloch, G. Hinterberger, V. Seewald, I. Wille, J. Kaltseis, B. Knobling, E.-M.T. Klupp, E. Samardzic, C. Lass-Flörl *Medical University of Innsbruck, Austria Journal of Hospital Infection (2023) 134, 1-6
背景
各用量の細菌懸濁液による表面汚染に基づいて抗菌作用を試験するために、さまざまな試験法が開発されている。臨床環境において頻回に手指が接触する表面は、乾燥状態での接触が多いので、これらの試験は病原体伝播の低減の有効性の評価には不適切かもしれない。
目的
少量の細菌懸濁液(Egger 抗菌性表面)の乾燥後でも抗菌活性を示すことが既に確認されている表面について、乾燥汚染をモデル化した条件下で接触-伝播法を用いて試験すること。
方法
検査室間の試験再現性を評価するために、Egger 抗菌性表面、抗菌銅合金、および陰性対照を用いて試験した。
結果
接触伝播後の Egger 抗菌性表面上の細菌数が有意に少ないこと、また接触伝播にある程度の差があることが、2 つの検査室間で認められた。しかし、両検査室から、Egger 抗菌性表面の有効性は同等であるとの評価が得られた。興味深いことに、Egger 抗菌性表面と抗菌性銅合金の液体汚染後の殺菌効果が既に確認されているにもかかわらず、両検査室による乾燥条件下で 4 時間の接触時間中、活性は不十分であった。一方の検査室における標準的な空気湿度下での実験では、少なくとも、銅合金において抗菌活性への湿度の強い影響が示された。これらのデータは、液体中に懸濁した微生物による表面汚染などの処置は、乾燥汚染の場合と直接比較できないことを示している。
結論
病院の現状において微生物は主に乾燥表面間を移行するので、乾燥表面での有効性について理解を深めるために、接触-伝播法をさらに標準化する価値がある。
監訳者コメント:
抗菌性表面に関する第三者評価は常に慎重でなければならない。過大評価しないようにしなければならない。
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