スコットランドの病院における空気中および表面上の SARS-CoV-2 の測定

2023.03.10

Measurement of SARS-CoV-2 in air and on surfaces in Scottish hospitals

M.M. Loh*, N. Yaxley, G. Moore, D. Holmes, S. Todd, A. Smith, E. Macdonald, S. Semple, M. Cherrie, M. Patel, R. Hamill, A. Leckie, S.J. Dancer, J.W. Cherrie
*Institute of Occupational Medicine, UK

Journal of Hospital Infection (2023) 133, 1-7


背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)ウイルスが検出される環境に存在するこのウイルス量、およびリスク管理のために効果的にモデルを作成して介入を比較する能力を制限する潜在的な曝露決定因子は、われわれの知る限りでは、いまだ不確定要素である。

目的

本研究は、スコットランドの病院 3 施設において、表面上および空気中の SARS-CoV-2 を測定するとともに換気および患者ケア活動を評価した。

方法

病院 3 施設において COVID-19 陽性患者の治療のために指定された 2 つの病棟と 2 つの非 COVID-19 病棟で、2020 年 11 月と 12 月に 20 分間(1 分間あたり 200 L)の空気サンプル採取と、表面上サンプルの採取を行った。

結果

検出可能な SARS-CoV-2 サンプルが COVID-19 治療病棟で確認されたが、非 COVID-19 病棟では検出されなかった。大部分のサンプルが、アッセイの検出限界未満であったが、最大濃度は、空気中では 1.7 × 103 ゲノムコピー/m3、表面スワブあたり 1.9 × 104 コピー(表面負荷では 3.2 × 102 コピー/cm2)に達した。3 施設全体で空気中濃度の推定幾何平均(幾何標準偏差)は 0.41(71)ゲノムコピー/ m3、表面汚染の換算値はスワブあたり 2.9(29)コピーであった。COVID-19 治療病棟と関連する非患者区域(患者/面会者の待合室、個人防護具の着脱室)で SARS-CoV-2 RNA が確認された。

結論

病院の非患者区域は感染伝播のリスクがある可能性があり、これらの区域にはさらに注意を払うべきである。サンプリング法の標準化は、環境汚染レベルの理解を高めるであろう。現行の換気ガイダンスを満たす古い病院建造物の課題の見直しと行動の必要性が、パンデミックにより明確にされた。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

SARS-CoV-2 RNA の、“環境汚染レベル”とその拡がりを良く理解する必要がある。SARS-CoV-2 RNA のサブタイプによっては変異により、さらに状況が異なるかもしれない。

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