新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに対する産院施設の対応:英国公衆衛生庁ガイダンスは実際にどのように実行されたか
Maternity services’ responses to the COVID-19 pandemic: how Public Health England guidance was implemented in practice S. Hanley*, G. Raybould, E. Baxter, J. Gray, D. Sharkey, K.F. Walker *University of Nottingham, UK Journal of Hospital Infection (2022) 129, 214-218
緒言
急速に進行する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは、安全なサービス提供を維持しながらウイルス伝播を最小限にするため、医療提供の方法に体系的変化を要した。妊娠中の患者は「中~高リスク」であると見なされるため、配慮を要する重要な患者集団の 1 つである。英国公衆衛生庁(PHE)はこれらのサービスをどのように調整するかについて国のガイダンスを発表した。
目的
英国の産科病棟がどのように PHE ガイダンスを実行したか調査すること。
方法
COVID-19 パンデミック中に英国拠点の産科病棟に勤務していた人々に、22 項目のオンライン調査を配信した。質問票は学際的研究チームが設計および検証した。データは 2020 年 11 月から 2021 年 7 月まで収集した。
結果
33 の産科病棟の参加者 44 名が回答した。93%は一泊入院を要する全女性に対しCOVID-19 検査を行うことができた。出産パートナーに COVID-19 検査を行ったと報告したのは 27%のみであった。すべての COVID-19 陽性患者を個室に隔離できたと報告したのは 73%のみであった。84%が個人防護具(PPE)に関する現在の PHE ガイダンスを認識していると述べ、82%が PPE の着脱に「自信」を持っていた。今後の優先事項には、迅速な検査および地域へのサービス提供に重点を置くことが含まれた。
結論
各トラストで入手可能な資源にばらつきがあり、推奨されたように患者を検査・隔離する能力が異なるため、COVID-19 に関する PHE ガイダンスは、英国の産科病棟で異なって実行された。産科の環境には、その特有の位置づけのため、COVID-19 に対する感染制御策のより具体的で状況に合わせたガイダンスが必要である。
監訳者コメント:
日本でも様々なガイドラインが様々な分野や領域で発出された。内容の検証はもちろん、遵守の状況について、このような振り返りが必要であると認識させられた。
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