2 種の個人防護スーツ脱衣後の自己汚染:無作為化対照クロスオーバー模擬試験
Self-contamination following removal of two personal protective equipment suits: a randomized, controlled, crossover simulation trial D. Sanchez Novas*, M.S. Fernández, M.E. García Guzzo, L.T. Aguilar Avila, G. Domenech, F.E. Bolla, S.A. Terrasa, G. García Fornari, C.A. Teijido *Hospital Italiano de Buenos Aires, Argentina Journal of Hospital Infection (2022) 119, 155-162
背景
医療従事者は、気道管理およびその他のエアロゾル発生手技に関与する際に汚染リスクが高まることが多い。
目的
紫外線蛍光溶液を用いて、ガウンおよびつなぎの個人防護具(PPE)の脱衣後の自己汚染の差を調査すること。
方法
この前向き無作為化対照クロスオーバー試験は、2020 年 8 月から 10 月の間にアルゼンチン・ブエノスアイレスの 3 次大学健康センター 1 施設において設定された。本研究は 60 名の麻酔担当者のボランティアを対象とし、本研究から除外された参加者はいなかった。2 期/2 種類の介入デザインを選択し、それぞれの介入は音声ガイド付きの PPE の装着、蛍光溶液の全身噴霧、音声ガイド付きの PPE の脱衣、および紫外線スキャニングによる自己汚染の評価で構成された。主要転帰は、PPE スーツ間の参加者内の差の平均値(あらゆるトレース)とした。統計学的有意性は対応のあるデータに対する t 検定を用いて検証した。割り付け比は 25/35(ガウンの後につなぎ/つなぎの後にガウン)であった。
結果
つなぎの脱衣後の自己汚染はガウンの脱衣後よりも大きく、参加者内の差の平均値は 11.45トレース(95%信頼区間 8.26 ~ 14.635、P < 0.001)であった。自己汚染された身体区域、小さい蛍光トレースおよび大きい蛍光トレースの数に有意差が認められた。ガウンの脱衣は著しく低い自己汚染リスクに関連していた。
結論
ガウンおよび手袋の迅速な 1 ステップの脱衣によって、腕/手の区域の自己汚染が減少する可能性がある。蛍光溶液は、自己汚染を特定し利用可能な PPE スーツ間の結果を比較するのに役立つ可能性がある。トレーニングセッションの繰り返しと、PPE の脱衣後の自己汚染に関する知識の強化が最重要である。
臨床試験登録番号
NCT04763304(ClinicalTrials.gov)
監訳者コメント:
抄録中の fluorescent traces は、蛍光塗料で汚染された部位を意味する。つなぎだけでなくガウンであっても PPE 脱衣の際の顔面、手の汚染が確認されており、注意すべき点であると思われた。
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