二酸化塩素は SARS-CoV-2 に対して次亜塩素酸ナトリウムよりも効果の高い抗ウイルス薬である
Chlorine dioxide is a more potent antiviral agent against SARS-CoV-2 than sodium hypochlorite N. Hatanaka*, B. Xu, M. Yasugi, H. Morino, H. Tagishi, T. Miura, T. Shibata, S. Yamasaki *Osaka Prefecture University, Japan Journal of Hospital Infection (2021) 118, 20-26
背景
2019 年に中国・武漢で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス‐2(SARS-CoV-2)が突然出現し、急速に世界的に拡散し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを引き起こした。
目的
二酸化塩素を主要な消毒成分とする、効果の高い消毒薬であるクレベリン(Cleverin)の抗 SARS-CoV-2 活性を試験すること。ならびに、0.5%または 1.0%のウシ胎児血清の存在下または非存在下でその結果を次亜塩素酸ナトリウムの結果と比較すること。
方法
濃縮された SARS-CoV-2 を種々の濃度の二酸化塩素および次亜塩素酸ナトリウムで処理し、各化学物質の抗ウイルス活性を評価するため、50%組織培養感染量を算出した。
結果
SARS-CoV-2 を 0.8 ppm の二酸化塩素または次亜塩素酸ナトリウムで処理した場合、ウイルス力価の減少は 3 分でわずか 1 log10 TCID50/mL であった。しかし、80 ppm の各化学物質で 10 秒間処理した場合、ウシ胎児血清の存在の有無にかかわらず、ウイルス力価の減少は 4 log10 TCID50/mL を超えた。24 ppm の二酸化塩素での処理によって、0.5%のウシ胎児血清の存在下では 10 秒以内に 99.99%超の SARS-CoV-2 が不活化され、1.0%のウシ胎児血清の存在下では 1 分で 99.99%の SARS-CoV-2 が不活化されことは強調すべきである。対照的に、24 ppm の次亜塩素酸ナトリウムは同様の条件下で、SARS-CoV-2 を 3 分で 99%または 90%しか不活化できなかった。注目すべきことに、二酸化塩素を除いて、亜塩素酸ナトリウム、デカグリセリンモノラウレート、シリコーンなどのクレベリンのその他の成分は、有意な抗ウイルス活性を示さなかった。
結論
まとめると、本結果によって、二酸化塩素および次亜塩素酸ナトリウムは有機物の非存在下で強力な抗ウイルス薬であるが、有機物の存在下では、二酸化塩素は SARS-CoV-2 に対して次亜塩素酸ナトリウムよりも効果の高い抗ウイルス薬であることが強く示唆される。
監訳者コメント:
二酸化塩素(というかクレベリン®)の消毒効果を検討した論文。有機物の存在下であっても、二酸化塩素を一定濃度・一定時間以上接触させれば SARS-CoV-2 に有効であるとしている。一定濃度・一定時間以上接触させるというのはやはり消毒の基本だなと改めて感じた。
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