Costs associated with COVID-19 in healthcare personnel in Greece: a cost-of-illness analysis

H.C. Maltezou*, T.V. Giannouchos, A. Pavli, P. Tsonou, X. Dedoukou, M. Tseroni, K. Papadima, D. Hatzigeorgiou, N.V. Sipsas, K. Souliotis
*National Public Health Organization, Greece

Journal of Hospital Infection (2021) 114, 126-133

背景

医療従事者は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の病原微生物である重症急性呼吸器症候群コロナウイルス‐2（SARS-CoV-2）による感染リスクが高い。

目的

ギリシャの医療従事者における SARS-CoV-2 曝露および感染に関連する費用を推定すること。

方法

SARS-CoV-2 感染症の全国データベース、および COVID-19 患者に曝露された医療従事者のデータベースからデータを抽出した。疾病費用分析を実施して、総費用、直接費用および間接費用を推定した。

結果

全体で、最初の流行時に COVID-19 が確認された医療従事者 254 名および COVID-19 患者に曝露された医療従事者 3,332 名を研究の対象とした。COVID-19 が確認された医療従事者 254 名のうち、49名（19.3％）が入院し（平均入院期間 11.6 日）、4 名が集中治療室に入室した（平均入室期間 10.8 日）。全体で、COVID-19 患者に曝露された医療従事者 1,332 名（40％）の平均欠勤期間は 7.5 日、COVID-19 が確認された医療従事者 252 名（99.2％）の平均欠勤期間は 25.8 日であった。これら 2 群における管理の推定総費用は 1,735,830 ユーロであった（COVID-19 が確認された医療従事者 772,890 ユーロ、COVID-19 患者に曝露された医療従事者 962,940 ユーロ）。欠勤は総費用の大部分を占め（全支出の 80.4％）、次いで逆転写 PCR および入院の費用が多かった（それぞれ、総支出の 10.2％および 6.5％）。

結論

COVID-19 は、医療従事者における欠勤の発生率上昇および期間延長と関連する。間接費用、特に欠勤は、COVID-19 患者に曝露された医療従事者および COVID-19 が確認された医療従事者における総費用の中心を占めている。推定された総費用は控えめなものである。医療従事者に対する COVID-19 ワクチン接種が欠勤および COVID-19 関連費用に及ぼす影響を検討する研究が必要とされている。

サマリー原文（英語）はこちら

監訳者コメント：

ありそうでなかなかない医療従事者の COVID-19 とコスト評価に関する論文。感染者はもちろん、接触者の欠勤は大きな問題であったと結論しており、またワクチン接種などで、どのように変化するかが注目される。日本でもこのような観点からの検証は必要であろう。

Molecular epidemiology of an outbreak of human parainfluenza virus 3 among oncology patients

Incidence of healthcare-associated infections in a tertiary care hospital: results from a three-year period of electronic surveillance

Airborne hydrogen peroxide for disinfection of the hospital environment and infection control: a systematic review

Disinfection of corrugated tubing by ozone and ultrasound in mechanically ventilated tracheostomized patients

Sensitivity of bacterial biofilms and planktonic cells to a new antimicrobial agent, OxsilR 320N