in vitro 腸モデルにおける腸内細菌叢のバランス異常がカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌の増殖と検出に及ぼす影響
The effect of intestinal microbiota dysbiosis on growth and detection of carbapenemase-producing Enterobacterales within an in vitro gut model H.C. Harris*, A.M. Buckley, W. Spittal, D. Ewin, E. Clark, J. Altringham, K. Bentley, I.B. Moura, M.H. Wilcox, N. Woodford, K. Davies, C.H. Chilton *University of Leeds, UK Journal of Hospital Infection (2021) 113, 1-9
背景
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)は腸管内に定着する可能性があり、臨床上の大きな懸念となっている。CPE 定着の同定には問題がある。つまりゴールドスタンダードとされる検出法がなく、抗菌薬曝露と腸内細菌叢のバランス異常が検出に及ぼす影響が知られていない。
目的
全国調査に基づき、よく使用される 4 種類の CPE スクリーニング法を選択した。臨床的に関連のある各種抗菌薬曝露下で3 種類の CPE 株に対する各検査の性能を試験するために、臨床的に反映されるヒト腸内細菌叢 in vitro モデルを使用した。
方法
プールした糞便スラリーを 12 の腸モデルに播種し、ピペラシリン・タゾバクタム(358 mg/L、1 日 3 回、7 日間)の曝露前、曝露後、同時、非曝露のいずれかの条件下で CPE を曝露した。細菌目細菌とCPE 集団の総数を毎日計測した。Cepheid Xpert® Carba-R 分子検査と、BrillianceTM CRE アガー、ColorexTM mSuperCARBA アガー、CHROMID® CARBA SMART アガーを用いて、定期的な CPE スクリーニングを実施した。
結果
細菌叢の乱れがない場合の CPE の検出には問題がある。抗菌薬曝露は細菌叢集団を破壊し、CPE を増殖させ、検出率を高める。アッセイの性能には差があり、とくに CPE 株の種類により異なった。乱れがない細菌叢における低濃度の CPE を検出するのに、Cepheid アッセイは、3 つのアガー法よりも優れていたが、破壊された細菌叢に CPE 集団が増加した場合、すべてのスクリーニング法の性能は同等であった。
結論
in vitro 腸モデルでの抗菌薬曝露に対するその後の反応において、CPE 株のコロニー形成動態は異なった。このことが、分子解析法およびスクリーニング法による検出に影響を及ぼしており、医療施設における CPE スクリーニングの感度を示唆している。
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