オゾンを用いた自動化室内除染システムはSARS-CoV-2代用微生物に対して効果が高い

2021.06.30

An automated room disinfection system using ozone is highly active against surrogates for SARS-CoV-2

 

G. Franke*, B. Knobling, F.H. Brill, B. Becker, E.M. Klupp, C. Belmar Campos, S. Pfefferle, M. Lütgehetmann, J.K. Knobloch

*University Medical Center Hamburg-Eppendorf, Germany

 

Journal of Hospital Infection (2021) 112, 108-113

 

 

背景

患者周囲環境の表面におけるコロナウイルスの存在は、間接的な伝播源となる可能性がある。手動の清掃および消毒の方策では、表面汚染の十分な除去が必ずしも達成されない。このため、病院環境での室内の最終消毒における自動化ソリューションの重要性が高まっている。オゾンは効果の高い消毒剤で、高湿度と組み合わせると、呼吸器ウイルスに対する効果的な消毒剤である。現行のデバイスは、室内の高湿度を維持するための持続的な噴霧、ならびにオゾン生成が可能であり、消耗部材は必要ない。

 

目的

本研究では、オゾンを用いた完全自動化室内除染システムの有効性を、パンデミックコロナウイルス SARS-CoV-2 の代用微生物としてバクテリオファージ Φ6およびウシコロナウイルス L9 を用いて検証した。

 

方法

上記の目的のため、様々な表面(セラミック・タイル、ステンレス・スチール、および化粧板)を代用ウイルスで汚染させ、気密実験室内で 2 種類の高さに設置した。自動化除染デバイスを製造者の指示書に従って使用した後、表面から代用ウイルスを回収し、定量培養により評価した。次いで、減少係数を算出した。

 

結果

オゾンを用いた室内除染デバイスにより、2 種類の代用微生物に対して、異なる表面と高さにおいて、殺ウイルス効果(減少係数> 4 log10)が達成され、使用した条件下で効果が高いことが確認された。

 

結論

オゾンは SARS-CoV-2 代用微生物に対して高い活性を有する。実践における安全な適用と効果、ならびにルーチンのプロセスへの組み込みについて、さらなる研究が必要である。

 

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

SARS-CoV-2 の代用微生物を用いたオゾンの有効性評価に関する研究である。なお本実験で用いられたオゾン発生装置の条件は 80 ppm/60 分という高濃度であることに注意が必要である。

 

同カテゴリの記事

2014.02.28

Risk factors for transmission of measles during an outbreak: matched case-control study

2008.11.30

Experience with the use of palivizumab together with infection control measures to prevent respiratory syncytial virus outbreaks in neonatal intensive care units

2015.12.31

Analysis of norovirus outbreaks reveals the need for timely and extended microbiological testing

2014.08.31

Time-series analysis to observe the impact of a centrally organized educational intervention on the prevention of central-line-associated bloodstream infections in 32 German intensive care units

JHIサマリー日本語版サイトについて
JHIサマリー日本語版監訳者プロフィール
日本環境感染学会関連用語英和対照表

サイト内検索

レーティング

アーカイブ