欧州規格 EN 14476 に基づいたうがい薬溶液の SARS-CoV-2 に対する in vitro 有効性の比較★★
Comparison of the in-vitro efficacy of different mouthwash solutions targeting SARS-CoV-2 based on the European Standard EN 14476
K. Steinhauer*, T.L. Meister, D. Todt, A. Krawczyk, L. Paßvogel, B. Becker, D. Paulmann, B. Bischoff, S. Pfaender, F.H.H. Brill, E. Steinmann
*Schülke & Mayr GmbH, Germany
Journal of Hospital Infection (2021) 111, 180-183
SARS-CoV-2パンデミックの発生は、世界的な衛生上の緊急事態の警鐘をもたらした。ワクチン接種が利用可能になるまで、効果的な予防策バンドルが絶対的に必要とされている。最近の研究では、SARS-CoV-2 の拡散におけるエアロゾルの関連性が示されている。そこで本研究では、クロルヘキシジンジグルコン酸塩およびオクテニジン二塩酸塩を活性成分とした、市販されている殺菌用うがい薬について、SARS-CoV-2 に対する有効性を欧州規格 EN 14476 に基づいて検討した。EN 14476 の要件、すなわちウイルス力価について 4 以上の対数減少(≧ 4 log10)が必要とされることに基づいて、オクテニジン二塩酸塩を用いた製剤はわずか 15 秒間の接触時間で SARS-CoV-2 に対して有効であることが明らかになった。したがって本 in-vitro データに基づき、オクテニジン二塩酸塩を用いたうがい薬は、今後の臨床研究において、エアロゾルによる SARS-CoV- 2 の伝播に対する予防に有効性が期待される興味深い候補となる。
監訳者コメント:
うがい薬による SARS-CoV-2 のウイルス量の減少を示した研究である。適応は限られると考えられるが、例えば歯科診療時にはうがい薬によるうがいでエアロゾル感染のリスクを低減できる可能性がある。
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