医療従事者における SARS-CoV-2 抗体の血清陽性率および関連因子:システマティックレビューとメタアナリシス

2021.02.28

Seroprevalence of SARS-CoV-2 antibodies and associated factors in healthcare workers: a systematic review and meta-analysis

P. Galanis*, I. Vraka, D. Fragkou, A. Bilali, D. Kaitelidou
*National and Kapodistrian University of Athens, Greece

Journal of Hospital Infection (2021) 108, 120-134

背景
医療従事者は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染症の高リスク集団である。

目的
医療従事者の SARS-CoV-2 抗体の血清陽性率を明らかにするとともに、この血清陽性率と関連する因子を同定すること。

方法
今回のシステマティックレビューとメタアナリシスに、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysis ガイドラインを適用した。PubMed/MEDLINE、プレプリントサービス(medRχiv、bioRχiv)などのデータベースで、発端から 2020 年 8 月 24 日までの論文を検索した。

結果
医療従事者 127,480 名を含む研究 49 報が選択基準を満たした。医療従事者の SARS-CoV-2 抗体の全血清陽性率は推定で 8.7%(95%信頼区間 6.7 ~ 10.9%)であった。北米で実施された研究での血清陽性率(12.7%)は、欧州(8.5%)、アフリカ(8.2%)、アジア(4%)で実施された場合と比較して高かった。メタ回帰により、感度の高い抗体検査は血清陽性率の増加と関連することが示された。血清陽性率と関連する因子は以下の通りであった:男性であること、黒人・アジア系・ヒスパニック系の医療従事者、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療病棟に勤務、患者関連業務、最前線の医療従事者、看護補助者、個人防護具の不足、SARS-CoV-2 感染症の既往を自ら報告するという信念、PCR 検査の陽性歴、および COVID-19 の疑い例または確定例との家庭内接触。

結論
医療従事者における SARS-CoV-2 抗体陽性率は高い。SARS-CoV-2 感染症のリスクを低減させるためには、感染予防・制御策の遵守状況が優れていること、十分かつ適切な個人防護具、SARS-CoV-2 に 感染した医療従事者の早期発見・同定・隔離が不可欠である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
SARS-CoV-2 抗体検査からハイリスク集団を検討した論文である。抗体陽性率が極めて高い地域では抗体陽性率が免疫の盾のバロメーターとなるが、そこまで至らない現状においてはワクチンが進むことで抗体検査が別の価値を持つこととなる。

同カテゴリの記事

2017.12.25

Pattern of exposure to information and its impact on seasonal influenza vaccination uptake in nurses

2007.01.31

Effect on MRSA transmission of rapid PCR testing of patients admitted to critical care

2018.06.28

Detection of AmpC β-lactamase-producing Gram-negative bacteria by matrix-assisted laser dsorption/ionization time-of-flight mass spectrometry

2008.10.31

Evaluation of contamination by blood aerosols produced during various healthcare procedures

2011.05.01

Risk factors and clinical significance of ertapenem-resistant Klebsiella pneumoniae in hospitalised patients