オープンアクセスによりデータを共有する国内抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムの開発および実施★★
Development and implementation of a national antimicrobial stewardship surveillance system, with open access data sharing
- Ashiru-Oredope*, E.L. Budd, A. Doble, E. Cramp, A. Hendrick, S. Hopkins
*Public Health England, UK
Journal of Hospital Infection (2021) 107, 16-22
背景
Public Health England は、抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムを開発し、NHS 病院トラストにより実施される抗菌薬適正使用支援監査のデータの一元的な収集の実施可能性について調べるために、国内パイロット試験を実施した。システムは簡素化され、国民保健サービス(NHS)による抗菌薬耐性(AMR)CQUIN(Commissioning for Quality and Innovation[質の向上とイノベーションのためのコミッション];財政的なインセンティブの質改善策)の要件に焦点を置いている。
目的
国内パイロット試験による結果と使用者のフィードバック、および AMR CQUIN の一環として抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムの使用による結果を提示すること。
方法
抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムを開発し、国内パイロット試験を実施したところ、33 の NHS トラストにより、システムの利用に関するデータおよびフィードバックが提出された。2016 年から 2017 年の AMR CQUIN の抗菌薬適正使用支援データを収集するために、フィードバックに基づきシステムを改良し、国内に設置した。
結果
パイロット試験に参加したトラストの大部分が、抗菌薬適応の記録に関するデータを収集した(90%)。48 時間から 72 時間以内の再検討の決定について記録したデータを収集したトラストは少なかった(36%)。平均して、患者の 83%で抗菌薬適応が記録され、一方では、患者の 71%で 48 時間から 72 時間以内の再検討に関する正式な記録があった。2016 年から2017 年の少なくとも第 1 四半期に、AMR CQUIN のデータがトラストの 88%により提出された。処方の約 92%で抗菌薬適応が記録され、処方の 87.5%で 72 時間以内の再検討の根拠が示された。これらの割合は、第 1 四半期から最終四半期の間に、それぞれ 7%ポイント、10%ポイント増加した。
結論
抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムにより、英国の NHS トラストからの抗菌薬適正使用支援監査データが一元的に収集できるようになった。Public Health England は、これらのデータを PHE Fingertips ポータル(英国公衆衛生データポータル)によりオンラインで公表する。報告されたデータは、抗菌薬処方の割合の改善とともに 72 時間以内に記録された再検討の根拠を明らかにしている。
監訳者コメント:
抗菌薬適正使用支援サーベイランスシステムの国レベルでの取り組みは、国際的に同時進行している。我が国においても、AMR リファレンスセンターを中心として様々な取り組みがなされており、耐性菌抑止のためにはフィードバックされたデータをもとにさらなる改善が求められる。
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