接触頻度の高い表面の銅による処理は医療関連感染を減少させるか?システマティックレビューおよびメタアナリシス

2020.12.31

Does copper treatment of commonly touched surfaces reduce healthcare-acquired infections? A systematic review and meta-analysis
L. Albarqouni*, O. Byambasuren, J. Clark, A.M. Scott, D. Looke, P. Glasziou
*Bond University, Australia
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 765-773


背景
医療関連感染(HAI)は、かなりの罹患および死亡の原因である。銅は実験条件下では強い抗菌特性を示すようである。
目的
医療施設の接触頻度の高い表面における銅による処理が及ぼす効果の可能性を検討すること。
方法
標準的な病室に対して、銅による処理を施した病室の表面(家具またはベッド用のリネン)が HAI に及ぼす効果を比較した対照試験を、本システマティックレビューの対象とした。2 名の評価者が独立して、検索した論文のスクリーニング、データの抽出、採用した研究のバイアスリスクの評価を実施した。主要評価項目は HAI の発生とした。
結果
計 638 のタイトルおよびアブストラクトをスクリーニングし、12,362 例の患者が含まれる 7 報の研究を対象とした。対象としたすべての研究において、7 項目のうち 2項目以上でバイアスリスクが高いと判定された。7 報の研究はすべて、銅による処理が施されたさまざまな表面が HAI に及ぼす影響を報告していた。全体として、今回のレビューでは、銅による処理を施した硬表面および/またはベッド用のリネンや布製品は、HAI を 27%減少させる(リスク比 0.73、95%信頼区間[CI]0.57 ~ 0.94、I2 = 44%、P = 0.01)という、臨床的に重要となる可能性を示すエビデンスの質は低いことが認められた。
結論
HAI の臨床的・経済的な費用を考慮すると、銅による処理がもたらす予防効果の可能性は重要と考えられる。現行のエビデンスは、強い肯定的推奨をするには不十分であるが、銅による処理の影響に関して公的資金による大規模な臨床試験を実施することは、意義があり、急務であると思われる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
銅や銀には微生物に対する効果がみられることは知られているが、特定の金属ですべての医療環境表面を覆うことはできない。また、頻回の接触や微生物負荷に加えタンパク質の付着など複合的な要因があるためその評価は難しい。

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