ヒータークーラーユニットの消毒および洗浄:懸濁液およびバイオフィルムに対する殺菌
Disinfection and cleaning of heater-cooler units: suspension- and biofilm-killing
J.O. Falkinham III*
*Virginia Tech, USA
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 552-557
背景
心臓手術患者における、マイコバクテリウム・キマイラ(Mycobacterium chimaera)またはマイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)による非結核性抗酸菌(NTM)感染症は、人工心肺装置のヒータークーラーユニットから産生される NTM エアロゾルが感染源とされている。
目的
NTM の菌数を減らし、それにより NTM エアロゾル産生の可能性を予防することを目的とした、ヒータークーラーの貯水槽を消毒するためのプロトコールを作成すること、またヒータークーラーの貯水槽における消毒後の再播種を抑制することを目的とした、ヒータークーラーの表面バイオフィルム形成を防ぐためのアプローチを開発すること。
方法
米国疾病対策センター(CDC)の検査室用バイオリアクター 1 台およびヒータークーラー 1 台に、M. chimaera または M. abscessus を播種して、複数の消毒プロトコールを対象に、水サンプルおよびバイオフィルムサンプル中の NTM のコロニー形成単位(cfu)を減少させる能力、ならびに消毒後における NTM の再発生を遅らせる能力を評価すること。
結果
酵素処理洗浄剤と Clorox® の併用は、ヒータークーラーの貯水槽サンプル中の M. chimaera cfu の減少において、Clorox 消毒薬単独の場合と同等の効果を示した。しかし、これらの抗酸菌の再出現は、酵素処理洗浄剤と Clorox の併用により、Clorox 消毒薬単独の場合と比較して12 週間の遅延が認められた。
結論
酵素処理洗浄剤と Clorox の併用は、効果的な消毒処理法であり、ヒータークーラーの貯水槽における M. chimaera の再発生を有意に遅延させた。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
ヒータークーラーユニットは心臓外科手術後の非結核性抗酸菌感染症の原因として今やよく知られている。本論文はその予防のための消毒方法について検討したものである。日本でも使用されている器材であり、消毒に困られている方は是非一読を。
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