オーストラリアにおけるカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌のアウトブレイク期間の保菌患者の入院費用★

2020.06.30

Hospitalization costs for patients colonized with carbapenemase-producing Enterobacterales during an Australian outbreak
A.J. Rodriguez-Acevedo*, X.J. Lee, T.M. Elliott, L.G. Gordon
*QIMR Berghofer Medical Research Institute, Australia
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 146-153


背景
カルバペネム産生腸内細菌科細菌は、増加傾向にあるカルバペネム系薬耐性グラム陰性菌群であり、米国では 9,000 例を超える病院関連感染症の原因となっている。医療の経済的かつ社会的負担を定量化する取り組みは、感染制御プログラムの実施のために資源計画の情報を提供するのに重要である。
目的
オーストラリアにおける OXA-181 カルバペネマーゼ産生大腸菌(Escherichia coli)のアウトブレイク期間の医療費を推定した。本研究の目的は、リスクの高い細菌の無症候性保菌患者における病院の経済的負担を把握することである。
方法
入院データおよび関連費用について州政府の公衆衛生部門から情報を得た。年齢、性別、入院病棟、診断区分について、保菌患者と非保菌患者をマッチさせた。医療費および入院期間の平均を一般化線形モデルにより調べ、時間依存性バイアス、患者年齢、病棟の位置について説明した。
結果
全体でみると、保菌患者の平均費用は(155,784 AU ドル、95%信頼区間[CI]77,892 ~ 285,604 AU ドル)は非保菌患者(25,964 AU ドル)よりも 6 倍多かった。75 ~ 79 歳のサブグループの平均費用は、35 ~ 39 歳の最若年サブグループと比較して 50%低かった(P = 0.02)。入院期間延長の平均は、保菌患者では 12 日(95%CI 3 ~ 21)であった。全費用における主な要因は看護であり、保菌患者では 44%、非保菌患者では 39%を占めた。
結論
公表された院内アウトブレイクの期間におけるカルバペネム産生腸内細菌科細菌の保菌患者は、非保菌患者よりも医療費が高かった。感染症患者により、病院のかなりの経済的負担が発生するが、保菌患者によっても発生する費用も多い。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
多剤耐性菌をマネジメントする上で、発症者だけの対応ではなく保菌者の対応の施設内アウトブレイクを阻止する上では重要である。どちらの対応にあたっても接触予防策を実施すると医療資源(人的資源や物質的資源)を消耗する。

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