3 次病院における表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)のリネゾリドおよびメチシリン耐性クローンに起因する長期地域的流行の状況
Long-term endemic situation caused by a linezolid- and meticillin-resistant clone of Staphylococcus epidermidis in a tertiary hospital
C. Rodríguez-Lucas, M.R. Rodicio, J. Càmara, M.Á. Domínguez, M. Alaguero, J. Fernández
*Hospital El Bierzo, Spain
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 64-69
背景
リネゾリド(LZD)耐性表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は増加しており、LZD の消費量が多い病棟におけるアウトブレイクに主に関連している。
目的
LZD の使用という観点から、3 次病院 1 施設における LZD 耐性表皮ブドウ球菌の出現頻度を検討すること。
方法
2011 年から 2017 年の LZD 耐性表皮ブドウ球菌の出現頻度と LZD の使用(100 患者日あたりの 1 日規定用量[DDD]として表される)に関するデータを、後向きに分析した。選択された LZD 耐性表皮ブドウ球菌はパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)によって分類し、伝達性の LZD 耐性遺伝子のスクリーニングを行った。代表的な分離株を multi-locus sequence typing 法により分類し、リボソームの LZD 耐性メカニズムを検討した。
結果
全体で、435 の LZD 耐性表皮ブドウ球菌が検出され、LZD 消費量が多い集中治療室(ICU)(6.34 ~ 8.10 DDD)における出現頻度は 13.56%~ 32.93%であり、LZD の使用がかなり少ない残りの病棟(0.63 ~ 2.49 DDD)では、2.48%~ 6.80%であった。2013 年 6 月から 2014 年 6 月に回収された最初の LZD 耐性表皮ブドウ球菌分離株 44 株は、PFGE パターンによると近縁種であり、mecA 産生により 1 株を除いてすべてがメチシリン耐性であった。選択された分離株は ST2 に属し、SCCmec Ⅲ を保有し、23S rRNA 遺伝子の 6 コピーそれぞれのドメイン V 領域に G2576T 変異を有していた。分離株 44 株のうち 5 株(11.36%)は cfr 遺伝子陽性であった。
結論
LZD およびメチシリン耐性の ST2 クローンは ICU で確認され、また LZD の消費量の少ない病棟でも確認された。このことは、LZD の有効性を維持するため、病院のすべての部門において抗菌薬適正使用支援プログラムだけでなく感染制御策も実行および継続する必要があることを浮き彫りにしている。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
リネゾリドの表皮ブドウ球菌とそのアウトブレイクに関する報告である。耐性率とリネゾリドの使用量には相関が見られた。通常表皮ブドウ球菌であれば薬剤感受性まで行わないことも多いと思われるが、水面下でこのような耐性菌の増加が行っていないか、確認することも重要である。
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