擦式アルコール製剤の擦り込み時間を 15 秒に短縮することにより手指消毒の有効性は低下しない

2020.04.28

Hand antisepsis without decreasing efficacy by shortening the rub-in time of alcohol-based handrubs to 15 seconds


J.C. Harnoss*, S.J. Dancer, C.F. Kaden, R. Baguhl, T. Kohlmann, R. Papke, M. Zygmunt, O. Assadian, M. Suchomel, D. Pittet, A. Kramer
*University of Heidelberg, Germany
Journal of Hospital Infection (2020) 104, 419-424

 

背景
新生児集中治療室(NICU)の看護師を対象とした以前の研究では、擦式アルコール製剤の抗菌作用は 30 秒ではなく 15 秒で得られ、手指消毒の回数が有意に増加することが示された。本研究は、低リスクの婦人科病棟の看護師を対象に、15 秒と 30 秒の消毒の成果を指先の微生物数および遵守率を測定することにより比較調査することを目的とした。

方法
独立した熟練観察者が、シフト中の手指消毒の回数および遵守率を測定した(クロスオーバーデザイン)。シフトの始めに母指を含む指先をソイブロス培地に浸してから、擦式手洗いを行い、その後、1 時間ごとに細菌数を計測した。手指消毒を伴う看護行為 Fulkerson スケールの汚染度クラスに分類した。昼休み直前に、試験参加者はランダムに決定された 15 秒または 30 秒の擦り込み時間に従い手指を消毒した。

結果
指先の細菌数の検査では、擦り込み時間 15 秒と 30 秒において差が認められなかった。対照とした昼休み前の手指消毒では、どちらの試験群においても有効性に差がみられなかった。擦式法を 15 秒間行った参加者は、30 秒間行った参加者と比較して手指消毒の実施率が高かった(P = 0.2)。15 秒試験では、遵守率が 54.7%から 69.5%に増加した。

考察
手指消毒時間の短縮により有効性は低下しなかった。診療における手指衛生遵守を改善するために、成功した多様な介入策の必須要素の範囲内で、擦り込み時間 15 秒への短縮について検討すべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

擦式アルコール製剤には液状タイプ、ゲル状タイプ、泡沫状タイプがあり、この順番に消毒に必要な時間は変化する(ゲルや泡沫は消失するのに液状タイプより時間がかかる)。CDCの手指衛生のガイドラインでは医療従事者が手指衛生にかけられる時間が15秒と書かれており、今回の検討はその裏付けとなるが、新規性はない。

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