ガーナの主要な教育病院における手術中の空気サンプルから分離した細菌と手術部位感染症の遺伝的関係 Genetic relationship between bacteria isolated from intraoperative air samples and surgical site infections at a major teaching hospital in Ghana
M.A. Stauning*, A. Bediako-Bowan, S. Bjerrum, L.P. Andersen, S. Andreu-Sánchez, A-K. Labi, J.A.L. Kurtzhals, R.L. Marvig, J.A. Opintan
*Copenhagen University Hospital, Denmark
Journal of Hospital Infection (2020) 104, 309-320
背景
低中所得国において手術部位感染症(SSI)の発生率は高く、患者転帰の不良と医療費の超過を引き起こしている。手術室の空中細菌と SSI の因果関係は、分子レベルまたは遺伝子レベルでは確立していない。我々は低中所得国 1 か国において、手術中の空中細菌と SSI を引き起こす細菌の関係を研究した。
方法
待機的な清潔または準清潔外科手術中に、携帯型インパクターを用いて能動的エアーサンプリングを実施した。術後 3 日目、14 日目、30 日目に、電話および臨床検査による積極的な患者の経過観察を実施した。SSI および空気サンプルから回収した細菌分離株は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF)での同定、リボタイピング、全ゲノムシークエンス法(WGS)、メタゲノム解析によって比較した。
結果
128 例の対象患者のうち、116 例(91%)が経過観察を完了し、11 例(9%)が SSI を発症した。SSI の全症例において、手術中の空気サンプルから既知の病原性細菌が分離された。8 症例では、MALDI-TOF によって空気の分離株と SSI の分離株の一致が確認された。6 症例でリボタイプの一致が確認され、1 症例では WGS とメタゲノム解析の両方によって空気の分離株と SSI の分離株の同一性が示された。
結論
本研究では、手術中の高濃度の空中細菌、9%という SSI の発生率、ならびに手術中の空中細菌と SSI から分離した細菌の遺伝的な関連が示された。これは、低中所得国において手術中の空気の質を意識することの必要性を意味している。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
最新の微生物検査技術を用いたなかなかの力業研究である。空中浮遊菌と SSI の原因菌が一致したとのことで、そのほとんどがコアグラーゼ陰性ブドウ球菌属のようだ。研究が行われた病院はガーナの教育病院である。手術室の空気の清浄化が重要というよりも、やはり SSI の大半は術中の落下菌が原因であるということが改めて示されたという印象か。
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