集中治療室における緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の外因性獲得:前向き多施設共同研究(DYNAPYO 研究)

2020.01.31

Exogenous acquisition of Pseudomonas aeruginosa in intensive care units: a prospective multi-centre study (DYNAPYO study)


M. Coppry*, C. Leroyer, M. Saly, A-G. Venier, C. Slekovec, X. Bertrand, S. Parer, S. Alfandari, E. Cambau, B. Megarbane, C. Lawrence, B. Clair, A. Lepape, P. Cassier, D. Trivier, A. Boyer, H. Boulestreau, J. Asselineau, V. Dubois, R. Thiébaut, A-M. Rogues
*Universitéde Bordeaux, France
Journal of Hospital Infection (2020) 104, 40-45
背景
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、依然として集中治療室(ICU)において最もよくみられる院内病原体の 1 つである。外因性獲得はアウトブレイクにおいて広く立証されてきたにもかかわらず、非流行性の状況ではその重要性は不明である。
目的
ICU 患者における外因性由来の緑膿菌の役割を明らかにすること。
方法
DYNAPYO コホート研究で 2009 年に採取されたサンプルを用いて、緑膿菌の獲得に関する時系列分析を行った。研究期間中、患者および水道水は週 1 回検査した。パルスフィールドゲル電気泳動を用いて、緑膿菌分離株の分子的な関連性を検討した。外因性獲得は、以前に ICU において他の患者または水道水から分離された緑膿菌のパルソタイプの同定として定義した。
結果
DYNAPYO コホートは、1,808 例の患者(10,402 のサンプル)および 233 の蛇口(4,946 のサンプル)を含んだ。患者 373 例由来の 1,515 の分離株および 81 の水道水サンプル由来の 375 の分離株のタイピングにより、296 のパルソタイプが同定された。分析により、患者 373 例のうち 170 例(45.6%)で外因性獲得が示された。同定されたパルソタイプは、患者 86 例では以前に他の患者から分離されており、患者 29 例では以前に水道水サンプルから分離されていた。結果は各 ICU ごとに異なった。
結論
緑膿菌の外因性獲得は、患者の半数で予防できた。本調査の総合的な結果は、ICU における外因性獲得の制御方法をより明確にするための、伝播経路およびリスク評価の手法に関する研究の必要性を裏付けている。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
なし

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