医療環境表面の微生物学的サンプリングをどのように実施するか?現在のエビデンスのレビュー

2019.12.24

How to carry out microbiological sampling of healthcare environment surfaces? A review of current evidence


S. Rawlinson* , L. Ciric, E. Cloutman-Green
* University College London, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 103, 363-374
病院の環境表面は病原体伝播の一因となるというエビデンスが増加している。しかし、これらの表面の最適なサンプリング法に関するエビデンスは一貫しておらず、この方法に関して指針または法規がない。本レビューの目的は、表面サンプリング法に関して、結果に影響を及ぼす可能性のある使用材料、処理法、および環境因子・生物学的因子などを含めた現在の文献を評価することである。ScienceDirect、Web of Science、PubMed で、関連するキーワードを用いて 2019 年 3 月より前に発表された研究を抽出した。抄録をレビューし、英語のピアレビュー専門誌のデータに基づく研究すべてを対象とした。病院環境の空気中および水中の微生物学的サンプリングは含めなかった。病院環境表面から検出された細胞またはウイルス粒子の数は、全体的に少なかったが、採取された表面の大部分が微生物学的に汚染されていた。検出された微生物のうち、多剤耐性菌および臨床的に重要な病原体が高頻度に分離され、その結果として、脆弱な患者にリスクをもたらす可能性があった。方法に大きなばらつきがみられ、入手可能なデータは不完全で、比較できなかった。サンプリング法に関して入手できた文献から、今後の研究における改善の可能性が乏しいことが示された。レビューに含まれた研究の多くが検査室ベースのものであり、臨床環境に存在する多くの不確定要素により、サンプルの回収が影響を受ける可能性のある実際の病院環境で実施されていない。したがって全体的な結論を導くのは困難であるが、医療環境の表面サンプリングにおけるルーチンのプロトコール策定のために推奨できるものがある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
院内環境の微生物汚染を微生物学的な環境検査により、より定量的に評価可能なガイドラインが必要と考えられる。また昨今の乾性バイオフィルム(dry surface biofilm)についても検討を進めていく必要がある。

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*Duke-NUS Medical School, Singapore

 

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*Equipe opérationnelle d’hygiène, France

Journal of Hospital Infection (2019) 102, 245-255