シルバーポリテトラフルオロエチレンナノ複合材料コーティングの尿道カテーテルの in-vitro での抗菌性能および石灰化抑制能

2019.09.29

In-vitro antibacterial and anti-encrustation performance of silver-polytetrafluoroethylene nanocomposite coated urinary catheters


L. Wang*, S. Zhang, R. Keatch, G. Corner, G. Nabi, S. Murdoch, F. Davidson, Q. Zhao
*University of Dundee, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 103, 55-63
背景
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)は、もっとも一般的な院内獲得感染症の一つであり、罹病率および死亡率の増加につながる。この主な理由は、尿道カテーテルに CAUTI を予防する能力がまだ備わっていないということである。
目的
抗感染性を有する尿道カテーテルを開発すること。
方法
効果的なシルバーポリテトラフルオロエチレンナノ複合材料コーティングを、シリコンカテーテル全体に施した。抗菌性能(大腸菌[Escherichia coli]に対する)および石灰化抑制能(プロテウス・ミラビリス[Proteus mirabilis]に対する)を試験するために 2 つの in-vitro 膀胱モデルをデザインした。各モデルに、2 つの異なる濃度の細菌懸濁液を注入した。
結果
非コーティングカテーテルと比較して、コーティングカテーテルは、カテーテル外表面の細菌の遊走およびバイオフィルム形成を有意に抑制した。尿道口を 106 細胞/mL で感染させた場合、細菌尿が発生するまでの期間の平均は、1.8 日対 4 日、102 細胞/mL で感染させた場合、6 日対 41 日であった。石灰化抑制試験では、コーティングカテーテルは、細菌濃度および尿 pH の上昇を強く抑制しなかったが、石灰化を有意に抑制した。103 細胞/ mL による膀胱内の細菌汚染後、閉塞までの時間は、36.2 ± 1.1 時間(非コーティング)から89.5 ± 3.54 時間(コーティング)に延長され、膀胱内の最初の細菌濃度とは無関係であることが認められた。さらに、コーティングカテーテルは、L929 線維芽細胞との優れた生物適合性を示した。
結論
シルバーポリテトラフルオロエチレンコーティングの Foley カテーテルについて、カテーテル留置中の CAUTI 予防の能力を確認するために、さらなる臨床試験を実施すべきである。
サマリー原文(英語)はこちら
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