クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)芽胞の感受性評価を目的とする 4 フィールドテスト方法論に従った検査法の検査室間の再現性
Interlaboratory reproducibility of a test method following 4-field test methodology to evaluate the susceptibility of Clostridium difficile spores
S. Gemein*, J. Gebel, B. Christiansen, H. Martiny, L. Vossebein, F.H.H. Brill, M. Decius, M. Eggers, T. Koburger-Janssen, M. Meckel, S. Werner, B. Hunsinger, T. Selhorst, G. Kampf, M. Exner
*University Hospital Bonn, Germany
Journal of Hospital Infection (2019) 103, 78-84
背景
殺芽胞性の表面消毒は、医療機関におけるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)の伝播を制御するために推奨されている。EN 17126 は懸濁液における殺芽胞活性を決定するための方法を提供し、欧州標準として承認されてきた。さらに、殺芽胞性表面試験が提唱されてきた。
目的
4 フィールドテスト(EN 16615 試験法)に従って、C. difficile 芽胞調製液の殺菌製剤に対する感受性を評価するための検査法の、検査室間の再現性を明らかにすること。
方法
9 つの検査室が参加した。C. difficile の NCTC 13366 芽胞を使用した。3 通りの懸濁液において芽胞の感受性を決定するため、グルタルアルデヒド(1%および 6%、15 分)、ならびに過酢酸(PAA、0.01%および 0.04%、15 分)を使用した。
結果
9 つの検査室での変動する結果(0.37 ~ 1.49)より、1%グルタルアルデヒドの 10 進対数減少の平均値は 1.03 であり、再現性は 0.38 であることが明らかになった。6%グルタルアルデヒドの効果はより強かった(平均値 2.05、範囲 0.96 ~ 4.29、再現性 0.86)。PAA での結果も同様であった。3 通りの清潔な条件下で接触時間 15 分で殺芽胞活性(4 フィールドテスト)を決定するため、5% PAA に基づく 見本の殺菌製剤を、0.5%(無効濃度)および 4%(有効濃度)で使用した。0.5%で使用した場合は全体の log10 減少は2.68(範囲2.35 ~ 3.57)、4%で使用した場合は 4.61(範囲3.82 ~ 5.71)であることが明らかになった。最初は汚染されていなかった 3 つのテストフィールドにおいて残留汚染が 50 cfu/25 cm2 未満であったのは、0.5%では検査室 9 室中 1 室であり、4%では 9 室中 7 室であった。
結論
検査室間の再現性は安定していると思われる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
EN 16615 試験法は、消毒薬の菌量を減少させる能力を評価するための欧州の標準的な試験法である。複数の検査室での試験の結果は、消毒薬のC. difficile に対する有効性と、試験の再現性を示した。
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