レバノン初の抗菌薬啓発週間キャンペーン:抗菌薬に対する知識、態度、実践
First Lebanese Antibiotic Awareness Week campaign: knowledge, attitudes and practices towards antibiotics
S. Al Omari*, H. Al Mir, S. Wrayde, S. Merhabi, I. Dhaybi, S. Jamal, M. Chahine, R. Bayaa, F. Tourba, H. Tantawi, A. Al Atrouni, K. El Omari, O. Ayash, N.S. Zeidan, H. Mallat, F. Dabboussi, M. Hamze, M. Osman
*Faculté de Santé Publique, Université Libanaise, Lebanon
Journal of Hospital Infection (2019) 101, 475-479
抗菌薬耐性は、治療失敗のリスクと医療費を増大させる、地球規模の保健衛生(グローバルヘルス)上の重大な脅威といえる。抗菌薬耐性が拡がる要因として最も多いものの一つは、セルフメディケーションである。一般市民、そして臨床医学・獣医学の医療従事者が、適切な抗菌薬の使用に反する誤った慣行を行ってしまうことが、耐性の拡散を促している。このため、レバノン初の抗菌薬啓発週間キャンペーンが、人を中心としたインタラクティブな手法を用いて開始された。得られたデータからは、抗菌薬への認識が極めて低いレベルにあることが判明した。抗菌薬耐性の問題をコントロールし、克服するには、関連する利害関係者、政策立案者、医療における当事者の連携が極めて重要である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
抗菌薬耐性(AMR)対策の推進にあたり、どの集団にどのようなアプローチで行っていくかは様々であり、数多くの施行例とその成果が報告されている。本検討ではセルフメディケーションが行きわたっているレバノンにおいて、母親や大学生を主対象とし、レクチャー、インタビュー、ポスター、フェイスブック等を組み合わせた啓発、教育活動を行った。一般市民の認識を具体的に把握することは、AMR 対策の基本をなすといえるが、その手法、および得られた情報についての解析、ならびに対策の立案と実行は、AMR 対策が推進されていく過程においても、見直しやフィードバックがなされるものであろう。レバノンでの AMR 対策について、今後の推移が注目される。
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