インフルエンザの罹患率が高いシーズン中のポイント・オブ・ケア検査および患者コホーティングの実施:感染予防・制御および臨床転帰に及ぼす影響に関する後向き分析
Implementation of influenza point-of-care testing and patient cohorting during a high-incidence season: a retrospective analysis of impact on infection prevention and control and clinical outcomes
J. Youngs* , B. Marshall, M. Farragher, L. Whitney, S. Glass, C. Pope, T. Planche, P. Riley, D. Carrington
* St George’s University Hospitals NHS Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 101, 276-284
背景
インフルエンザの罹患率が高いシーズン中に、院内伝播を減少させるために堅実な感染予防・制御対策が必要である。
目的
救急外来でのインフルエンザのポイント・オブ・ケア検査と、インフルエンザ病棟における患者コホーティングが、感染予防・制御および臨床転帰に及ぼす影響を評価すること。
方法
研究対象の救急外来でインフルエンザのポイント・オブ・ケア検査を 2018 年 1 月 21 日から実施し、インフルエンザ病棟における患者コホーティングを 2018 年 1 月 25 日から実施した。介入前を 2017 年 11 月 1 日から 2018 年 1 月 20 日までと設定、介入後を 2018 年 1 月 21 日から 2018 年 4 月 30 日までと設定して、後向き「前後比較」分析を実施した。主要評価項目は、病院感染インフルエンザの発生率とした。副次評価項目は、抗ウイルス薬処方、入院期間などとした。入院患者のインフルエンザ陽性の持続期間をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって推定した。
結果
2017 年から 2018 年のインフルエンザシーズン中に、インフルエンザ確定の入院患者は 654 例で、このうち 223 例は介入前に、431 例は介入後に入院した。介入後のほうが、1 日あたりの病院感染インフルエンザの症例数は少なく(0.66 対 0.95、P < 0.0001)、入院期間中央値は短く(5.5 対 7.5 日、P = 0.005)、抗ウイルス薬の処方率は高かった(80%対 64.1%、P < 0.0001)。コホーティングによって、トラストの他の場所で 779 の個室が使用のために解放された。免疫能が正常な患者において、翌日までに PCR 陰性となる一定確率(P)は 0.14(95%信頼区間[CI]0.12 ~ 0.16)であった。これは、免疫能が正常な患者の半数が、診断後 5 日までに PCR 陰性となることを意味する(95% CI 5 ~ 6)。
結論
救急外来でのインフルエンザポイント・オブ・ケア検査およびインフルエンザ病棟での患者コホーティングは、インフルエンザ院内伝播の減少および患者入退院の改善と関連した。免疫能が正常な患者には診断後 5 日の時点で再検査するという対策によって、これらの患者の半数で、気道感染隔離をより早期に解除できるであろう。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
日本では、多くの病院で発症後 5 日間、かつ解熱後 2 日間を隔離期間、(職員の)休職としている。半数が 5 日後に PCR 陰性となることと、感染性の関連が気にかかった。
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