医療関連感染症:文献レビューによる中東呼吸器症候群コロナウイルスの特徴★

2019.01.05

Healthcare-associated infections: the hallmark of Middle East respiratory syndrome coronavirus with review of the literature


J.A. Al-Tawfiq*, P.G. Auwaerter
*Johns Hopkins Aramco Healthcare, Saudi Arabia
Journal of Hospital Infection (2019) 101, 20-29
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)は、急性呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。臨床検査で確認された MERS-CoV 感染症例は、無症状のものから軽症、あるいは生命を脅かす症状を呈し、致死率が高い場合もある。伝播には 3 つのパターンがあり、ヒト以外の推定曝露源からの地域社会における散発症例、家族内の感染初発例との接触による家族内クラスター、患者間および患者から医療従事者への医療関連感染である。医療関連 MERS 感染症は、疾患の特徴や主要な伝播経路についてよく知られるようになった。医療関連アウトブレイクをもたらす主な要因は、発見の遅れ、不十分な感染制御対策、MERS 疑い患者または他の呼吸器疾患患者の不適切なトリアージと隔離、混雑、救急部門に数日間残留する患者などである。文献レビューから、ほとんどの場合、適切な感染制御対策の適応により、病院アウトブレイクの効果的な制御が達成されたことが示唆される。迅速な発見、隔離、疑い例の管理が、MERS 伝播の予防における重要な因子である。感染制御に関する反復評価および是正措置の監視は、アウトブレイクの経過の変化に影響する。接触や受診の回数を制限することも、感染症伝播を低減させる重要な因子である。
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監訳者コメント
中東呼吸器症候群コロナウイルスによる中東呼吸器症候群は、SARS とは異なり、現在も患者が発生しており地域的な感染症として常に年頭におき、感染予防に取り組む姿勢が必要である。超感染性者(Super-spreader)の存在も重要である。

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