管腔内医療器具の汚染除去のための指針: Healthcare Infection Society の作業部会による報告

2019.01.05

Guidance for the decontamination of intracavity medical devices: the report of a working group of the Healthcare Infection Society


C.R. Bradley*, P.N. Hoffman, K. Egan, S.K. Jacobson, A. Colville, W. Spencer, S. Larkin, P.J. Jenks
*Hospital Infection Research Laboratory, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 101, 1-10
背景
管腔内医療器具はさまざまな医療現場で使用されている。管腔内医療器具の汚染除去のアプローチや利用可能な資源もさまざまであり、これらの器具による感染症伝播の可能性は考慮すべきものである。
目的
管腔内医療器具の汚染除去を図るために、適応性のある監査ツールを併用する、リスク評価に基づく包括的アプローチを策定すること。
主な推奨事項
-すべての管腔内医療器具は、それらがもたらす感染症伝播のリスクによって分類すること。
-管腔内医療器具の汚染除去に使用されるプロセスは、基本的な品質必須条件に準拠し、より質の高いベストプラクティスへと向上していくものとする。
-すべてのプローブは、それぞれの使用後まず十分に洗浄すること。
-粘膜に接触したプローブは、管理されたプロセスで消毒すること。
-手動消毒は品質必須条件に従うことが望ましく、妥当性が確認された自動消毒がベストプラクティスとなる。
-手術者の汚染された手指と接触したプローブとそれに連結したパーツの領域も汚染除去が必要である。
-無菌の体組織と接触するプローブは滅菌すべきであり、無菌バリア単独の使用は容認できない。
-管腔内医療器具の汚染除去に携わる人々すべてが、汚染除去の訓練を受けること。
-汚染除去は、十分な設備が整い、汚染から清潔への明確な経路を可能にする設備において実施すること。
-プローブが使用された患者の各プローブとその汚染除去に関する各エピソードの追跡と監視を可能にする汚染除去システムを備えること。
-新たな管腔内医療器具を入手する前に、医療従事者による十分な汚染除去の提供の確立を目指すこと。
-管腔内医療器具の汚染除去のプロセスは定期的に監査すること。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
本ガイダンスは概要的な記載にとどまっており、具体的にどのような器具に対してどういった管理を行うべきかの記載を欠いている。今後の展開に期待したい。

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