成人心臓手術部位感染症の減少および集学的共同研究の活用による経済的影響

2018.12.25

Reducing adult cardiac surgical site infections and the economic impact of using multidisciplinary collaboration


L. Chiwera*, N. Wigglesworth, C. McCoskery, G. Lucchese, W. Newsholme
*Directorate of Infection, Guy’s & St Thomas’ NHS Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2018) 100, 428-436
背景
心臓手術部位感染症(SSI)は深刻な結果をもたらし、患者および医療提供者にいくつかの課題を突きつけている。当病院では、報告された SSI の発生率上昇の中、患者安全の取り組みとして 2009 年に成人心臓 SSI のサーベイランスを開始した。これまではデータ収集が標準化されていなかったため、感染症の発生率は不明であった。
目的
当組織の標的に従って、質、安全性、効率を向上させるため、クリニカル・ガバナンスの組織内でエビデンスに基づいた的を絞った介入の展開を促進させるよう、SSI のデータ収集を標準化し、また SSI 発生率のベースラインを確立すること。
方法
Public Health England の推奨および特定した地域のリーダーと協力して、地域のデータ収集手順を標準化した。潜在的な実践上の懸念を特定し、一連の新たな取り組みを通してそれらの懸念に対してより効果的に対処できるように、共同して前向き SSI サーベイランスを実施した。医療スタッフは手術中および手術後に、専用のサーベイランスフォームに記入した。
結果
成人心臓 SSI の全体の発生率は、5.4%(2009 年)から 1.2%(2016 年)に低下し、冠動脈バイパス移植術の比率は 6.5%(2009 年)から 1.7%(2016 年)に低下した(P < 0.001)。グラム陰性細菌は SSI の重要な原因菌として認識されており、厳密な感染管理策の導入後は、より適切に抑制された。
結論
包括的な、エビデンスに基づいた感染管理の実践は、集学的な共同アプローチを通してうまく実行された。集学的な共同アプローチは、グラム陰性細菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、複数菌、全体的な SSI の負荷および/または関連コストを減少させる大きな可能性があるかもしれない。現在、我々は抗菌薬耐性と戦うため、国際的な取り組みと完全に一致するように継続的な質の改善を促進しようと、確立された SSI 詳細調査手順を用いてすべての SSI を調査している。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
月並みではあるが、心臓外科手術においてバンドルを作成し、サーベイランスを行うことによって SSI の発生率が低減したとする報告。実際のバンドルが付録として別途掲載されており、手術前(手術前日の 4% クロルヘキシジングルコン酸塩[CHG]浴やクリッパーによる除毛)、手術中(2% CHG + 70% イソプロピル アルコール による皮膚消毒や適切な抗菌薬の投与など)、JHI のホームページには実際に使用したサーベイランスフォームやバンドルの内容なども付録(appendix)として掲載されており参考になる。

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