イーストテキサス州農村部の病院における抗菌薬適正使用支援プログラムの特性
Characteristics of antimicrobial stewardship programmes in rural East Texas hospitals
J.C. Cho* , R.L. Dunn, F.S. Yu, G.A. Loredo, B.J. Brazill
* The University of Texas at Tyler, USA
Journal of Hospital Infection (2018) 100, 270-275
緒言
抗菌薬適正使用支援プログラムは、抗菌薬耐性の出現の予防と管理のための第 1 の手段となる。農村部の施設では、抗菌薬適正使用支援サービスの提供に必要とされる所要人員・資源が不足していることがある。
方法
イーストテキサス州の Public Health Region 4/5N 範囲内の認定病院の薬局長または抗菌薬適正使用支援プログラム責任者に、電子的な調査を e メールで配信した。
結果
調査実施時に、抗菌薬適正使用支援プログラムの 60%は策定されてから 12 か月未満であった。すべての抗菌薬適正使用支援プログラムに薬剤師が関与しており、卒後教育によって感染症に対する正式な研修を受けているのは 1 名(5%)のみであった。抗菌薬適正使用支援プログラムの 90%が その推進者としての立場であるが、感染症に対する正式な研修を受けている医師は 5 名(27.8%)であった。大部分の施設が、抗菌薬適正使用支援の推奨案を 1 つ以上実践していなかった。抗菌薬適正使用支援プログラムが策定されてから 12 か月未満の場合と比較して、策定から少なくとも 12 か月は経過している場合、抗菌薬を静脈内投与から経口投与に変更するプロトコールを有する率(100%対 50%、P = 0.042)、適切な抗菌薬使用に関して患者や家族に教育を行う率(87.5%対 33.3%、P = 0.028)、抗菌薬購入費を追跡する率(87.5%対 33.3%、P = 0.028)が高かった。
結論
農村環境の施設は、さらなる資源、人員、抗菌薬適正使用支援プログラムを実践する時間を必要としており、さまざまな抗菌薬適正使用支援の実践を行っている。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
大都市圏以外での医療施設での抗菌薬適正使用は大きな課題であるが、専門医不在の医療圏での抗菌薬適正使用の推進にはまだまだ課題が多い。
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