イタリアの 1 大学病院におけるカルバペネム耐性肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の院内伝播:分子疫学的研究
Nosocomial transmission of carbapenem-resistant Klebsiella pneumoniae in an Italian university hospital: a molecular epidemiological study
G. Sotgiu*, B.M. Are, L. Pesapane, A. Palmieri, N. Muresu, A. Cossu, M. Dettori, A. Azara, I.I. Mura, C. Cocuzza, S. Aliberti, A. Piana
*University of Sassari, Italy
Journal of Hospital Infection (2018) 99, 413-418
目的
疫学的傾向を評価するために、イタリアの 1 大学病院で侵襲性感染症患者から分離され肺炎桿菌カルバペネマーゼ(KPC)産生肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株の表現型および遺伝子型プロファイルを記述すること。
方法
侵襲性菌血症患者を対象に KPC 産生肺炎桿菌株を検出するために、イタリアの University Hospital of Sassari において前向き観察研究を実施した。分離株は表現型により同定した。カルバペネマーゼ産生について、表現型タイピングおよび遺伝子型タイピングを用いて評価した。blaKPC遺伝子の配列決定、パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)および複数部位塩基配列タイピング(MLST)を実施した。
結果
2015 年から 2017 年の期間中に、肺炎桿菌による侵襲性感染症 46 症例が記録された。患者の 3 分の 2(67.4%)は男性で、平均年齢は 69.4 歳であった。ほとんどの患者は、少なくとも 1 つの合併症を有し(56.5%)、および/または以前に入院したことがあり(70.5%)、81.8%が現在または最近に医療機器を使用しており、85.4%が最近、抗菌薬曝露を受けていた。死亡率は 52.3%であった。多剤耐性パターン(カルバペネム、フルオロキノロン、第 3 世代/第 4 世代セファロスポリンを含む)が、すべての肺炎桿菌分離株にで示された。KPC-3 および KPC-2 はすべての株で産生が認められた。最も多くみられた配列型は、512(91.3%)および 101(8.7%)であり、3 つのクラスター(A、A1 および B)に分類された。
結論
イタリアの 1 大学病院において、侵襲性感染症患者における KPC 産生肺炎桿菌の検出率は、2015 年以前に算出された検出率よりも高かった。本研究により、イタリアの他の研究による報告と同様、カルバペネマーゼ変異型のうち KPC-3 の重要性が確認された。高い死亡率および合併症率は、KPC 産生肺炎桿菌感染症と関連しているようである。
サマリー原文(英語)はこちら
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