手術用ボディースーツ(スペーススーツ)の排気装置および人工関節感染症の可能性の比較

2018.07.31

Comparison of air exhausts for surgical body suits (space suits) and the potential for periprosthetic joint infection


F. Ling*, S. Halabi, C. Jones
*Sandringham Hospital, Alfred Health, Australia
Journal of Hospital Infection (2018) 99, 279-283
背景
人工関節感染症は関節全置換手術の主要な合併症のひとつであり、著しい罹患率、死亡率および経済的負担に関連している。手術用ボディースーツ(スペーススーツ)はもともとは感染症の発生率を低下させるために設計されたが、最近では逆説的に人工関節感染症の発生率の上昇に関係している。スペーススーツから排出される空気が人工関節感染症の発生率の上昇に関与する可能性がある。
目的
最新の手術室で一般的に使用されるスペーススーツから排出される空気の流れを検討すること。
方法
煙霧機および連続静止画像を用いて、4 つの市販のスペーススーツシステムの排出気流パターンを比較した。
結果
スペーススーツシステムを検討した結果、すべての空気が手術室に排出されていた。標準的な手術衣の単一送風機システムは、手術衣後方の折り目から、ほぼ手術野の位置で側方に空気を排出した。専用のファスナー付きスーツの単一送風機システムは、手術野より下の位置で空気を排出した。二重送風機システムは、ヘルメットの上部から手術野より上の位置で空気を排出した。
結論
人工関節置換術において現在使用されているスペーススーツシステムは、従来の全身排気システムと大きく異なる。最新のシステムは、汚染された空気を手術環境から除去するというよりは、むしろ手術室に排出し、一部のケースでは滅菌器具用トレイおよび手術野に向けて排出している可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
米国疾病対策センター(CDC)のGuideline for Prevention of Surgical Site Infection (2017)では、人工関節全置換術におけるスペーススーツの有用性と有害性は不明となっている。スペーススーツから排出される空気の汚染のデータが知りたいところである。

同カテゴリの記事

2016.04.29

Compliance with hand hygiene: reference data from the national hand hygiene campaign in Germany

2017.01.31

Evaluation of a modified cleaning procedure in the prevention of carbapenem-resistant Acinetobacter baumannii clonal spread in a burn intensive care unit using a high-sensitivity luminometer

2016.07.13

Overtreatment of asymptomatic bacteriuria: a qualitative study

2022.04.20
An outbreak of livestock-associated meticillin-resistant Staphylococcus aureus (LA-MRSA) clonal complex 398 in a regional burns centre

M.J. Stone*, C. Swales, S.E. Bond, P. Muthayya, J.B. Sarma
*The Mid Yorkshire Hospitals NHS Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2022) 122, 1-8



2025.01.17
Laboratory-acquired infection in clinical laboratories and the incidence rate after Brucella exposure risk events: a systematic review and meta-analysis

M. Wang*, W. Sun, C. Zhou, S. Wang, Q. Shi, J. Lin, H. Mi, B. Hu, J. Pan, X. Gao
*Fudan University, China

Journal of Hospital Infection (2025) 155, 135-144