集中治療室での緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のアウトブレイク:分子タイピングおよび遺伝子タイピングによる伝播の選別
Pseudomonas aeruginosa intensive care unit outbreak: winnowing of transmissions with molecular and genomic typing
B.J. Parcell*, K. Oravcova, M. Pinheiro, M.T.G. Holden, G. Phillips, J.F. Turton, S.H. Gillespie
*Ninewells Hospital & Medical School, UK
Journal of Hospital Infection (2018) 98, 282-288
背景
医療における緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa)のアウトブレイクは、調査に多大な時間を要し、調査自体が困難となりうる。指針では、どのタイピング法が意思決定に最も実用的かは規定されていない。
目的
緑膿菌のアウトブレイクの調査において全ゲノムシークエンス法(WGS)の有用性を探索的に検討し、パルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)および variable number tandem repeat(VNTR)解析と比較検討すること。
方法
2 年間に緑膿菌が陽性であった患者からの分離株 6 株および集中治療室(ICU)からの環境サンプル 6 検体に対して、VNTR、PFGE および WGS を実施した。
結果
VNTR および PFGE は、可能性のある感染源の詳細を明らかにし、他の感染源を除外する必要があった。WGS の結果は、関連のある分離株を明らかに区別し、洗面台の水と患者2例との伝播経路をさらに保証し、採用された制御策を支持した。
結論
WGS では、詳細情報が得られ、さらなるタイピングは不要であった。WGS は、疫学的情報とを結びつけることにより、アウトブレイクの状況を迅速かつ高精度で把握できる。WGS の実臨床での実施は、日々の診療の重大な進歩となるであろう。その再現性ならびに比較的低コストであることから広範に用いられるようになるにつれて、標準治療となるであろう。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
細菌の相同性を評価する分子疫学的手法として PFGE は長らく最も標準的な方法として用いられている。一方で WGS は「細かく分かりすぎる」ことや「高価で手間がかかる」ことが問題として考えられている。本論文はアウトブレイク調査においてこれらの手法の有用性を比較検討した論文である。結論としては、疫学調査と WGS を適切に組み合わせると最強、ということであったが、監訳者としても、まあそうだろうな、という感想である。Figure 2 に、各手法の相同性の識別能が分かりやすく表されているので参考にしていただきたい。
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