歯科用ハンドピースに対するノンバキューム方式蒸気滅菌プロセスの失敗★

2017.12.25

Failure of non-vacuum steam sterilization processes for dental handpieces


S. Winter*, A. Smith, D. Lappin, G. McDonagh, B. Kirk
*University of Glasgow, UK
Journal of Hospital Infection (2017) 97, 343-347
背景
歯科用ハンドピースは、救急および準救急手術介入で用いられる。一部の歯科医師団体は歯科用ハンドピースを患者が使用する間に滅菌するよう推奨しているが、異なる蒸気滅菌プロセスの有効性は明らかでなく、理解されていない。歯科用ハンドピースの内部構造には狭い内腔(0.8 ~ 2.3 mm)が含まれ、これが空気の除去と、滅菌条件を達成するために必要な飽和蒸気の侵入を妨げる可能性がある。
目的
歯科用ハンドピースに対してノンバキューム方式プロセスを用いた場合の滅菌失敗の程度を明らかにすること。
方法
英国で広く用いられているベンチトップ型蒸気滅菌装置と 3 種類の歯科用ハンドピースを対象に in vitro および in vivo 試験を実施した。歯科用ハンドピースの内腔内で、温度測定法、(TM、データロガー)、化学指標(CI)、生物学的指標(BI)法を用いて、滅菌プロセスのモニタリングを行った。
結果
歯科用ハンドピース内における滅菌性の達成を評価する 3 種類の方法すべてにおいて、ノンバキューム方式滅菌条件(CI:8/3,024[失敗数/検査数]、B:15/3,024、TM:56/56)への曝露では、バキューム方式滅菌条件(CI:2/1,944、BI:0/1,944、TM:0/36)への曝露よりも失敗数がかなり多かった。ノンバキューム方式プロセスで最も滅菌失敗の割合が高かった歯科用ハンドピースは、外科用ハンドピースであった。一般歯科診療所に設置されているノンバキューム方式滅菌装置では、滅菌失敗率が高かった(CI:25/1,620、BI:32/1,620、TM:56/56)のに対し、バキューム方式プロセスでは滅菌失敗はなかった。
結論
ノンバキューム方式重力置換式の N 型蒸気滅菌装置は、一般歯科診療における歯科用ハンドピースに対して確実な滅菌法ではない。滅菌失敗の割合が最も高い歯科用ハンドピースは、外科的介入で最も多く用いられる種類のハンドピースである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
歯科用ハンドピースは国内で約半数しか個々の患者ごとに洗浄・滅菌されていないことが、2017 年度に実施された厚生労働省の研究班の報告に上がっている。その上、適切な方法で滅菌されていないとなると、今後滅菌保証の観点からもサーベイが必要になろう。

同カテゴリの記事

2013.02.28

Public reporting of healthcare-associated infection data in Europe. What are the views of infection prevention opinion leaders?

2009.08.31

Survey of meticillin-resistant Staphylococcus aureus policies in UK eye departments

2008.03.28

Mycobacteria and allograft heart valve banking: an international survey

2012.07.31

Skin decontamination by low-temperature atmospheric pressure plasma jet and dielectric barrier discharge plasma

2020.05.23

Long-term endemic situation caused by a linezolid- and meticillin-resistant clone of Staphylococcus epidermidis in a tertiary hospital
C. Rodríguez-Lucas, M.R. Rodicio, J. Càmara, M.Á. Domínguez, M. Alaguero, J. Fernández
*Hospital El Bierzo, Spain
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 64-69