4 つの主要外科手技後の感染症に対する病院の影響:全州の包括的データを用いた外れ値および手術における件数と成績の関係の分析
Hospital effect on infections after four major surgical procedures: outlier and volume-outcome analysis using all-inclusive state data
L. Furuya-Kanamori*, S.A.R. Doi, P.N. Smith, N. Bagheri, A.C.A. Clements, A. Sedrakyan
*Qatar University, Qatar
Journal of Hospital Infection (2017) 97, 115-121
背景
病院の手術件数は、主要な外科手技の転帰に直接の影響を及ぼすことが知られている。しかし、このエビデンスが手術部位感染症(SSI)に特に該当するかどうかは不明である。
目的
オーストラリアのニューサウスウェールズ州において、4 つの主要外科手技について手技毎の病院の外れ値(高い SSI 発生率を伴う)を明らかにすること、また外れ値の成績を有する病院を考慮しながら、病院の手術件数が SSI 発生率と関連するかどうかを検討すること。
方法
2002 年から 2013 年の間にニューサウスウェールズ州の施設で 4 つの外科手技(結腸直腸手術、関節置換術、脊髄手術および心臓手術)のいずれか 1 つを受けた成人を組み入れた。4 つの外科手技のそれぞれにおける病院の手術件数を三分位(低、中間および高)にカテゴリー分類した。多変量ロジスティック回帰モデルを構築して、各手技について予想される SSI 発生率を推定した。予想される SSI 発生率を用いて、SSI の間接標準化発生率を算出し、これをファンネルプロットで表して病院の外れ値を特定した。
結果
1 病院が全体における外れ値と同定された(同院で実施された 4 つの手術のうち 3 つについて SSI 率が高かった)一方で、全研究期間を通じて 2 病院が特定の 1 つの手技について外れ値であった。手術件数の少ない施設は、結腸直腸手術については成績が最高で、関節置換術および心臓手術について成績が最低であった。手術件数の多い 1 施設は、脊髄手術が外れ値であった。
結論
ニューサウスウェールズ州において、SSI は主として手技特異的な現象であり、病院特異的な現象ではないようである。病院の手術件数と SSI 発生率との関連は、手術手技によって異なっている。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
4 つの手術手技別に見て症例数と SSI 発生率の間に関連性はないが、なぜそうなっているのかについての分析は不十分な論文である。
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