検査の自動化を考慮した腸管内多剤耐性菌スクリーニングに対する臨床検体の寄与と限界★

2017.09.28

Contribution and limits of clinical specimens for the screening of intestinal multi-drug-resistant bacteria in view of laboratory automation


A. Geraud de Galassus*, F. Cizeau, A. Agathine, C. Domrane, D. Ducellier, V. Fihman, J-W. Decousser
*University Hospital Henri Mondor, France
Journal of Hospital Infection (2017) 97, 59-63
多剤耐性菌保菌者が検出されると、感染予防担当者は時間との戦いを始める。診断を目的とした標準的検査法および直腸スクリーニング方法を実施するとともに、著者らは患者 439 例から得られた臨床検体 562 検体に対し、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌またはカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を検出するための高塗布量の選択培地による方法を検証した。このアプローチによって、標準的検査法よりも 5 検体多く ESBL 産生腸内細菌科細菌陽性の検体が同定され、既知のVRE/CPE保菌者 9 例中 6 例が同定された(このコホートでは、3 つの新型 CPE/VRE 株も同定された)。検査機関で現在進められている細菌検査の自動化を考慮すると、尿および糞便検体に焦点を当てたこのアプローチは、専用の直腸スクリーニングの代替または相補的アプローチとなると考えられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
欧米では CPE や VRE などの多剤耐性菌の腸管内保菌者は、医療施設内感染の脅威となる。早期に発見し、適切な予防策を実施することが必要であるため、入院患者は 48 時間以内にこれらの耐性菌を報告できる体制を確立することが推奨されている。本論文では塗布検体量を増やし、選択培地を使用することで、便からの耐性菌の検出感度を上げることができると結論している。一方で、細菌検査の自動化が進み、いまや検体をセットすれば、培地選択、培地への塗布などの検体処理からコロニーの選択、同定感受性まで全自動化されるようになっている。日本でもこの自動化の波はすでに来ているが、機器の値段が高額のためまだまだ導入には至っていない。将来少ない技師数でも細菌検査が自施設で可能となる時代がくる。

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