ポーランドの成人集中治療室における医療関連感染症の有病率:ポーランドでの 2012 年から 2014 年における ECDC の病院関連感染および抗菌薬使用の点有病率調査の要約データ

2017.06.29

Prevalence of healthcare-associated infections in Polish adult intensive care units: summary data from the ECDC European Point Prevalence Survey of Hospital-associated Infections and Antimicrobial Use in Poland 2012-2014


A. Deptuła*, E. Trejnowska, G. Dubiel, M. Zukowski, A. Misiewska-Kaczur, T. Ozorowski, W. Hryniewicz
*Nicolaus Copernicus University in Torun, Poland
Journal of Hospital Infection (2017) 96, 145-150
背景
感染症は世界的に、集中治療室(ICU)における病状の悪化および死亡の主たる原因である。各国で疫学研究を実施し、サーベイランスおよび予防プログラムの優先順位を明らかにする必要がある。
目的
ポーランドの成人 ICU 入室患者を対象に 3 年にわたり病院感染(hospital-acquired infection;HAI)の疫学を研究すること。
方法
欧州疾病予防管理センター(ECDC)の欧州急性期病院における医療関連感染および抗菌薬使用の点有病率調査のプロトコールに従って、急性期病院 160 施設の 39,318 例の患者を対象にデータを収集した。この最初のデータベースから成人 ICU 患者(945 例)のデータを抽出し、さらなる解析の対象とした。
結果
HAI は 370 例(39%)で認められ、430 件の HAI エピソードが記録された。最も多く見られた HAI は呼吸器感染症(45%)であり、その多くは腸内細菌科細菌およびグラム陰性非発酵菌に起因した。これらの感染症の大半(87%)はデバイス関連である可能性が高かった。血流感染 61 件中 51%は、カテーテル関連であった。これらの血流感染は主にコアグラーゼ陰性ブドウ球菌に起因した。手術部位感染 57 件中、42%は臓器/腔、33%は切開部深層、25%は切開部表層に分類された。主な微生物は腸内細菌科細菌および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)であった。尿路感染症 50 件中 96%はデバイス関連であった。
結論
ポーランドの成人 ICU 患者の HAI 有病率は、同様の研究で報告された値よりも高いが、手法の違いによる影響が一部あることが考えられる。デバイス関連感染の割合がきわめて高いため、ターゲットを絞ったサーベイランスおよび予防プログラムの全国的な導入を急ぐ必要がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
Point prevalence survey は近年医療関連感染症の分野でしばしば使用されるサーベイランスの手法である。比較的少ない労力で多施設で行うことができ、また経時的な比較に向いている。日本でも医療関連感染症や抗菌薬の使用状況について同様の手法を用いた研究が行われており、これから徐々にデータが出てきて諸外国、あるいは病院間での比較が行われるようになるだろう。

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