手術部位感染症が医療費および患者転帰に及ぼす影響:欧州 6 か国におけるシステマティックレビュー
Impact of surgical site infection on healthcare costs and patient outcomes: a systematic review in six European countries
J.M. Badia*, A.L. Casey, N. Petrosillo, P.M. Hudson, S.A. Mitchell, C. Crosby
*Hospital Universitari de Granollers, Spain
Journal of Hospital Infection (2017) 96, 1-15
背景
手術部位感染症(SSI)は、合併症および死亡の発生率上昇と関連する。さらに、SSI は財政的負担となっており、患者の QOL に負の影響を及ぼす。
目的
欧州 6 か国における様々な外科専門科にわたる SSI による費用および健康関連 QOL の負担、ならびにこれらに関するエビデンスを評価すること。
方法
電子データベースおよび学会会議録を系統的に検索して、SSI による費用および健康関連 QOL の負担について報告している研究を同定した。フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペインおよび英国で 2005 年以降に発表された研究を適格とし、データ抽出を行った。研究を外科専門科により分類し、主要転帰は感染症の費用、経済的評価および健康関連 QOL とした。
結果
26 件の研究が適格基準を満たし、解析対象とした。対象国におけるエビデンスは少なかったが、SSI は一貫して、非感染患者と比べて費用の増加と関連付けられていた。複数の研究では、SSI 患者は長期の入院、再手術、再入院が必要となること、また SSI により死亡率が上昇することを報告していた。1 件の報告のみが QOL に関するエビデンスを報告しており、その結果は SSI により健康関連 QOL スコア(EQ-5D)が低下することを示していた。報告によれば、入院は費用負担の大部分を占めており、その他の費用は医療スタッフ、研究および治療にかかる費用であった。
結論
SSI に関する報告に一貫性がないため、費用の直接比較は困難であるが、本レビューから SSI には極めて多額の費用がかかることが示された。したがって、SSI を最小限に抑えるために厳格な手順を導入しなければならない。正確な費用を推定し SSI の負担の実態を明らかにするためには、さらなる経済的および QOL 研究が必要である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
国も異なり医療システムの違いから直接比較はなかなか困難であろうが、SSI の発生は病院にとっても患者本人にとっても喜ばしいことではない。在院日数の増加や治癒回復の延長さらには予後不良に関連する重大なイベントとして認識される。
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