標準検査プロトコールが殺芽胞効果に及ぼす影響

2016.07.13

Impact of standard test protocols on sporicidal efficacy


R. Wesgate*, G. Rauwel, J. Criquelion, J.-Y. Maillard
*Cardiff University, UK
Journal of Hospital Infection (2016) 93, 256-262
背景
利用できる市販の殺芽胞製剤が増加している。利用できる標準検査が多数あることと、多様な検査条件(細菌株や芽胞形成菌など)が使用されているため、文献により殺芽胞効果に関するデータの比較を行うことは困難である。
目的
殺芽胞効果の標準検査が、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)およびバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)を対象とした8つの殺生物剤の検出された活性に及ぼす影響を評価すること。
方法
8 つの殺生物製剤、すなわち 2 つの酸化製剤、2 つのアルデヒド剤、3 つの塩化ジデシルジメチルアンモニウム/アミンベース製剤、および次亜塩素酸ナトリウム製剤について、B. subtilis(ACTC 19659)芽胞および C. difficile(NCTC 11209)芽胞を対象とした 4 つの殺芽胞効果の標準検査(BS EN 14347、BS EN13704、ASTM E2197-11およびAOAC MB-15-03)を用いて評価を行った。
結果
用いられた方法を問わず、C. difficile 芽胞は B. subtilis 芽胞よりも殺芽胞剤に対する感受性が高かった。各方法の間で、5 分時点における殺芽胞活性に差はあったが、曝露 60 分時点では差はなかった。塩化ジデシルジメチルアンモニウム/アミンベースの製剤は、適切な中和を行えば殺芽胞作用を示さなかった。これらの殺生物剤について、中和作用のバリデーションは、BS EN 標準検査で記述されている報告書式を用いて確認されたが、生データでは中和が失敗したことが示されているようである。
結論
懸濁液または担体に基づくかにかかわらず、複数の検査において殺芽胞作用を示す不活化について同様のデータが得られた。本研究から、活性を有する芽胞の中和を効果的に行うためには、中和作用のバリデーションに関する詳細なデータを報告すべきであることが示唆される。こうした報告を行わないことは、誤った殺芽胞作用の主張をもたらす可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
異なる文献や研究間で結果を比較するときに、検討方法が同一であったかどうかを確認することは非常に重要である。本研究では殺芽胞活性を検討するための複数の標準検査の比較を行ったもので、検討プロセスの一つである中和作用に関して十分な検証が行われていない可能性があることを示唆しており、複数の研究間で単純に結果を比較することに警鐘をならしている。

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