ノロウイルスアウトブレイク中の面会一時中止に対する許容性:患者、面会者および一般市民の意見の調査
Acceptability of temporary suspension of visiting during norovirus outbreaks: investigating patient, visitor and public opinion
K. Currie*, L. Price, E. Curran, D. Bunyan, C. Knussen
*Glasgow Caledonian University, UK
Journal of Hospital Infection (2016) 93, 121-126
背景
ノロウイルスは、世界的にアウトブレイクの主要な原因であり、病棟閉鎖による医療サービス中断の最も頻度の高い原因である。面会一時中止は、ノロウイルスアウトブレイク中の曝露、伝播および影響を低減するための公衆衛生策として推奨されることが多くなっている。しかし、患者‐面会者の接触を妨げることは、患者中心のケアの精神に相反する可能性があり、この方策に対する一般市民の許容性は不明である。
目的
ノロウイルスアウトブレイク中の面会一時中止に対する許容性について、患者、面会者およびより広い一般市民の視点から検討すること。
方法
スコットランドの特徴の異なる3 つの地域における、患者(153 例)、面会者(175 人)および一般市民(224 人)に対する横断調査。Health Belief Model の枠組みを適用して、ノロウイルスアウトブレイク中の面会一時中止に対する許容性を表す評価を理解すること、またこれらの評価のレベルと様々な予測変数との関連を明らかにすることを試みた。
結果
回答者の大部分(84.6%)は、面会一時中止により得られるであろう利益は、得られるであろう不利益よりも大きいと答えた。逆に言えば、回答者の大部分(70%)は、面会一時中止は「家族や友人と会うという人々の権利を無視するから間違っている」ことに不賛成であった。回答者の大部分(81.6%)は、重篤な患者や末期の患者について例外を設けるならば、面会一時中止はより許容可能であるという意見に賛成であった。相関分析により、全般的な許容性には、認識された重症度(r = 0.65)、特定された利益(r = 0.54)および追加のコミュニケーション戦略の実施(r = 0.60)と正の相関があることが示された。また、許容性には起こり得る障壁と負の相関があった(r = −0.49)。
結論
面会一時中止を行うことに対する医療利用者や一般市民の賛成の声は、患者が面会を受ける権利を侵害されることにまつわる懸念を上回っていた。面会一時中止は、ノロウイルスアウトブレイク中に一貫して実施できる、許容可能な感染制御策と見なされるべきである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
人権や倫理的な問題と医療環境における集団生活や患者管理の課題について、ノロウイルスに関しては英国では国民的な課題になっていることから既に広く対応の重要性のコンセンサスが得られているのだと推察される。この結論が諸外国すべてにおいて同様に当てはまるかどうかは疑問であるが。
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