肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)臨床分離株および適応株に対するクロルヘキシジン添加消毒剤の活性のばらつき
Varying activity of chlorhexidine-based disinfectants against Klebsiella pneumoniae clinical isolates and adapted strains
L.J. Bock*, M.E. Wand, J.M. Sutton
*Public Health England, Porton Down, UK
Journal of Hospital Infection (2016) 93, 42-48
背景
多剤耐性菌の制御は、感染症リスクを低減するためのクロルヘキシジンなどの殺生物剤の使用に頼る度合いがますます大きくなっている。製品間におけるクロルヘキシジンの濃度および製剤のばらつきは極めて大きい可能性がある。
目的
クロルヘキシジンがルーチンに使用される前と後に分離された肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)臨床分離株 14 株、ならびに致死濃度未満のクロルヘキシジンに曝露された適応株を対象に、クロルヘキシジンおよび使用されているクロルヘキシジン製剤の活性を確立すること。
方法
5 種類のクロルヘキシジン添加製剤の最小発育阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)を、肺炎桿菌株のパネルを用いて5 分後、15 分後、30 分後および 24 時間後に測定した。
結果
5 分後では、5 製剤のMBC に 0.006 ~ > 50% 使用濃度(WC)、またはクロルヘキシジン濃度に 78 ~ 2,500 μg/mL とばらつきがあった。1 製剤では14 株中 5 株に対するMBCは > 50% WC であり、もう 1 つの製剤では 14 株中 4 株に対して 25% WC であった。NCTC 13368 はクロルヘキシジンに対して一貫して最も強い耐性を示した一方、クロルヘキシジンがルーチンに使用される前に分離された株は感受性がより高かった。クロルヘキシジンのルーチン使用以前の 1 株および現在の 5 株では、致死濃度未満のクロルヘキシジンへの曝露後に MIC が最大 16 倍まで上昇した。6 つすべての野生型株に対する MBC が 0.39% WC の手指消毒剤 1 製剤では、クロルヘキシジン適応株に対する MBC が 50% WC であった。
結論
すべてのクロルヘキシジン製剤が、推奨曝露時間後に多剤耐性肺炎桿菌を殺滅したわけではなかった。活性、特にクロルヘキシジン適応株に対する活性は、クロルヘキシジン以外の成分に依存する。したがって、クロルヘキシジン製品の注意深い製剤開発が、クロルヘキシジン製剤の活性の維持および増強において、また感染制御失敗の可能性の回避において重要である。
サマリー原文(英語)はこちら
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